セッション情報 | 一般演題(ポスター) |
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タイトル | P265 鳥肌胃炎に対するヘリコバクタピロリ除菌に関する検討 |
演者 | 山内貴裕(岐阜市民病院消化器内科) |
共同演者 | 加藤則廣(岐阜市民病院消化器内科), 中村博(岐阜市民病院消化器内科), 高田淳(岐阜市民病院消化器内科), 永野淳二(岐阜市民病院消化器内科), 吉川武志(岐阜市民病院消化器内科), 岩田圭介(岐阜市民病院消化器内科), 向井強(岐阜市民病院消化器内科), 林秀樹(岐阜市民病院消化器内科), 杉山昭彦(岐阜市民病院消化器内科), 西垣洋一(岐阜市民病院消化器内科), 高橋健(岐阜市民病院消化器内科), 名倉一夫(岐阜市民病院消化器内科), 冨田栄一(岐阜市民病院消化器内科) |
抄録 | 【目的】慢性胃炎でヘリコバクタピロリ(Hp)陽性患者に対する除菌適応は日本ヘリコバクタピロリ学会のガイドラインでは推奨されていない.しかし慢性胃炎の中でも鳥肌胃炎は心窩部痛などの自覚症状が強くまた比較的若年者に多くみられ胃癌との関連牲も報告されていて今後のHp除菌の対象疾患に加えることを考慮すべきと思われる今回は当科で経験した鳥肌胃炎の除菌症例について検討した.【方法】患者は平成19年1月より8月までに心窩部痛などの主訴で当科外来を受診し胃内視鏡検査および生検で鳥肌胃炎と診断した患者は21名であった.男性5人女性16人で年齢は16歳から63歳までで平均年齢は37±12歳主訴は心窩部痛および心窩部不快感が20人健診精査が1例であったうち19名はHp陽性で2名は陰性であった19例のうち患者の了解が得られた16例にHp除菌を行った.【成績】一時除菌成功は9例二次除菌成功は1例で計10例の除菌成功例はいずれも当初の自覚症状は明らかに改善・消失したまた不成功例は3例t判定待ちは2例であった初回内視鏡検査でみられた前庭部を中心とした穎粒状の変化は内視鏡所見も除菌2ヶ月後に穎粒状変化の平定化しまた生検組織診断では炎症所見の改善がみられた.さらに1例は立ちくらみなどの起立性低血圧の症状も消失した。一方除菌により2例では過敏性腸症候群(IBS)の病状が出現し他薬剤を必要とした.また1例に味覚異常が出現した.なお今回は悪性疾患を併存した患者はみられなかった.【結論】鳥肌胃炎に対するHp除菌治療心窩部痛などの自覚症状に対して明らかな改善・消失をもたらしたまた時間経過で胃内視鏡像の改善が観察された.今後患者の自覚症状の改善の観点からも鳥肌胃炎はHp除菌適応拡大のひとつにあげられる疾患と思われた.しかしIBSなどの発症もみられ今後のさらなる検討が必要である. |
索引用語 |