セッション情報 一般演題(ポスター)

タイトル

P272 早期胃癌に対する内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)の治療成績

演者 吉井新二(札幌徳洲会病院消化器内科)
共同演者 吉崎秀夫(札幌徳洲会病院消化器内科), 藤永陽介(札幌徳洲会病院消化器内科), 四十坊克也(札幌徳洲会病院消化器内科), 福田一寿(札幌徳洲会病院消化器内科), 佐藤康永(札幌徳洲会病院消化器内科), 阪本真司(札幌徳洲会病院消化器内科), 小林久倫(札幌東徳洲会病院), 水谷彰吾(帯広徳洲会病院), 岡村毅与志(札幌徳洲会病院消化器内科)
抄録 【背景】近年ESDの普及によって早期胃癌の内視鏡治療における一括切除率が向上し適応は拡大されてきている.しかし早期胃癌のESDの長期成績は明らかになっていない.【目的】今回当院においてESDを施行した早期胃癌症例の治療成績を検討しESDの予後と適応拡大の妥当性について検討し報告する.【対象・方法】ESDを施行した胃腫瘍性病変95例中の早期胃癌71例(ガイドライン内病変43例適応拡大病変22例適応外病変6例)を対象とした.適応拡大病変は1)分化型M癌腫瘍長径2.1cm以上UL(一)脈管侵襲陰性2)分化型M癌腫瘍長径3cm以下UL(+)脈管侵襲陰性3)分化型SM1癌腫瘍長径3cm以下と定義したガイドライン内病変適応拡大病変別の切除成績(一括完全切除率偶発症)を検討したまたESD後の経過についても検討をおこなった.【結果】早期胃癌全体の一括完全切除率は91.5%(65/71)で偶発症は出血28%(2/71)穿孔28%(2/71)であった.ガイドライン内病変適応拡大病変別の各々の一括完全切除率は953%(41/43)909%(20/22)偶発症は出血が2.2%(1/45)4.5%(1/22)で穿孔は4.4%(2/45)0%であった.治療後の経過は一括完全切除65例は適応拡大病変も含めて再発は認めなかった.不完全切除は6例あり1例に追加EMRを行い再発を認めず1例は適応外病変で追加手術を考慮したが合併症のため経過観察となりその後他病死した.6例中4例は追加治療せず経過観察したがその1例に局所再発を認め疲痕の面積が広く追加ESDは困難と判断し外科切除が行われた。原病死は1例も認めなかった.【結論】適応拡大病変も含めてESDは高い根治性があると考えられた競長期予後に関しては今後症例を重ねた検討が必要である.
索引用語