セッション情報 一般演題(ポスター)

タイトル

P275 胃底腺ポリープの頂上に高分化型管状腺癌を認めた1例

演者 川瀬理恵(広島市立安佐市民病院内科)
共同演者 永田信二(広島市立安佐市民病院内視鏡科), 斧山美恵子(広島市立安佐市民病院内科), 中山奈那(広島市立安佐市民病院内科), 本田洋士(広島市立安佐市民病院内科), 木村茂(広島市立安佐市民病院内科), 辻恵二(広島市立安佐市民病院内科), 大越裕章(広島市立安佐市民病院内視鏡科), 坂谷暁夫(広島市立安佐市民病院病理部), 金子真弓(広島市立安佐市民病院病理部), 伊藤公訓(広島大学大学院分子病態制御内科学), 日高徹(広島市立安佐市民病院内科)
抄録 【目的】胃底腺ポリープの背景胃粘膜は萎縮性変化に乏しく胃癌発生の低リスク群として知られている.今回我々は胃底腺ポリープの頂上に高分化型管状腺癌を認めた1例を経験したので報告する.【症例】症例は36歳女性.検診の上部消化管内視鏡検査にて胃体中部前壁に大きさ10mm大の頂上に不整形陥凹を伴う山田m型ポリープを指摘され当科紹介となった.前医および当院の生検はGroupIIでありCEAは正常範囲内であった.肉眼形態から癌が疑われたためtotalbiopsy目的にてEMRを施行した病変は20mm×20mmであった.病理結果は胃底腺ポリープの陥凹面に一致して高分化型管状腺癌を認めた.癌は粘膜内に限局しており脈管侵襲はなく切除断端に癌腫の露出を認めなかった.また病理組織には大量のH.pylori桿菌を認めH.pylori抗体も陽性であった.また血清ペプシノーゲン1は231.5ng/mlと高値であり血清ペプシノーゲン1/II比は4.3と低下はなく粘膜の萎縮は認めなかった.術後の経過は良好で現在までのところ転移・再発は認めていない.【結語】胃底腺ポリープは胃癌発生の低リスク群として知られているが本症例のように胃底腺ポリープの頂上に癌を伴う症例もあり慎重なフォローが必要であると考えられた.
索引用語