セッション情報 | 一般演題(ポスター) |
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タイトル | P277 EMR後再発胃癌のESD後に肝被膜下膿瘍を発症した1例 |
演者 | 圓尾隆典(大阪赤十字病院消化器科) |
共同演者 | 恵荘裕嗣(大阪赤十字病院消化器科), 坂本梓(大阪赤十字病院消化器科), 永田嘉昭(大阪赤十字病院消化器科), 川上尚人(大阪赤十字病院消化器科), 山中伸一(大阪赤十字病院消化器科), 波多野貴昭(大阪赤十字病院消化器科), 西島規浩(大阪赤十字病院消化器科), 松尾裕央(大阪赤十字病院消化器科), 斉藤澄夫(大阪赤十字病院消化器科), 中辻正人(大阪赤十字病院消化器科), 池田敦之(大阪赤十字病院消化器科), 西川浩樹(大阪赤十字病院消化器科), 津村剛彦(大阪赤十字病院消化器科), 喜多竜一(大阪赤十字病院消化器科), 岡部純弘(大阪赤十字病院消化器科), 木村達(大阪赤十字病院消化器科), 大崎往夫(大阪赤十字病院消化器科), 辻賢太郎(辻賢太郎クリニック) |
抄録 | 【はじめに】内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)は後出血や穿孔などの偶発症が多いことが知られている.今回EMR後再発胃癌に対してESDを施行し明らかな穿孔を来たしていないにもかかわらず肝被膜下膿瘍を併発したまれな症例を経験したので報告する.【症例】60代女性.既往歴:2007年1月子宮体癌で広汎子宮全摘.現病歴:2006年4月胃角小弩前壁の30mm大のIlc+1型早期胃癌に対し分割粘膜切除術を施行された.病理所見では高分化型腺癌粘膜下微小浸潤あり脈管浸潤なしであった.患者の希望により経過観察されていたが2006年12月の内視鏡検査で浮鞭痕:部に遺残を指摘された.経過:2007年2月ESDを施行した.強い搬痕を伴う病変であったが比較的順調に治療は終了し明らかな穿孔を認めなかった治療当日夜から左上腹部痛と発熱を自覚しはじめた.翌日の内視鏡では治療後潰瘍底に穿孔所見なく出血も認めなかった.その後腹痛は改善傾向であったが38度台の発熱が続くため治療3日後に腹部CTを撮像したところ肝左葉前面から下面にかけてガス貯留を伴う膿瘍形成を認めた.膿瘍と胃の治療部は近接していた経皮経肝ドレナージにて軽快退院した.【考察】穿孔なく肝被膜下膿瘍を併発した機序は不明であるが関与する因子として以下の要因が考えられる.L初回EMR時に炎症が貫野性に波及し肝と胃が癒着していた.2.今回ESD時にも炎症が肝被膜に及んだ.3.暴挙針が胃壁を貫き肝被膜下に局注された.4.子宮全摘直後であり全身状態が良好ではなかったこれらの要因が輻冠して膿瘍形成につながったものと推察している.ESDの稀な偶発症を経験したので報告する. |
索引用語 |