セッション情報 一般演題(ポスター)

タイトル

P278 TS-1+CPT-11併用化学療法(IRIS療法)が奏効し治癒切除できた高度進行胃癌の1例

演者 宮下憲暢(JA北海道厚生連網走厚生病院内科・消化器科)
共同演者 内田多久實(JA北海道厚生連網走厚生病院内科・消化器科), 藤永明(JA北海道厚生連網走厚生病院内科・消化器科), 大島隆宏(JA北海道厚生連網走厚生病院外科), 西川眞(JA北海道厚生連網走厚生病院外科), 後藤田裕子(JA北海道厚生連札幌厚生病院臨床病理科), 村岡俊二(JA北海道厚生連札幌厚生病院臨床病理科), 小松嘉人(北海道大学病院第三内科), 浅香正博(北海道大学病院第三内科)
抄録 症例は66歳男性主訴は周部不快感現病歴は平成17年4月主訴症状の改善がないため近医受診胃体部後壁に広範囲な5型隠匿(tub2>tub1>por)及び多発肝転移を認めた.手術不能胃癌と診断され化学療法目的に当院紹介入院となった.入院後全身精査を施行.画像診断において高度腹水胃壁の著明な肥厚胃周囲のリンパ節腫大多発肝転移左大腿骨大転子の骨転移などを認めcTXN2MIHIPI cStagelVと診断した患者本人家族へ説明し同意を得た後HGCSGにておこなわれているIRIS療法の臨床第1/H相試験に登録した.全身化学療法における大きな有害事象は認めなかった.抗腫瘍効果は第1コースから第21コースにおいてSDであったが第22コ口ス目において著効し原発の消失も含めてCRを得た.しかし23コース終了後の評価の内視鏡においてEC junction直下にHa病変(tubl)を認め再発或いは異所性再発と考えられた.全身精査を施行したところ遠隔転移は認められずcTINOMOHOPO cStagelAと診断. H19年7月胃全摘手術Dl胆嚢摘出Roux-Yを施行した.病理診断はpStagelAであった.化学療法前に胃体部後壁に認められていた広範囲な5型腫瘍は病理診断において潰瘍癩痕t腫瘍の壊死と思われる壊死像foamy histiocyteの所見であり化療効果Grade3の診断であったH19年9月中施行した術後のPET-CT肝MRIにおいても再発所見は認めず治癒切除であると考えられた.今回我々は高度進行胃癌に対し外来化学療法において安全な抗癌剤投与ができ患者さんのQOLを損なわずにCRを得その後再発をきたしたが治癒切除し得た貴重な一例を経験したため若干の文献的考察を加えて報告する.
索引用語