セッション情報 一般演題(ポスター)

タイトル

P282 切除不能胃原発絨毛癌に化学療法を施行した1例

演者 青木順(順天堂大学消化器内科)
共同演者 加藤順子(順天堂大学消化器内科), 長田太郎(順天堂大学消化器内科), 斉藤紘昭(順天堂大学消化器内科), 吉村美保(順天堂大学消化器内科), 芹澤信子(順天堂大学消化器内科), 澁谷智義(順天堂大学消化器内科), 吉澤孝史(順天堂大学消化器内科), 永原章仁(順天堂大学消化器内科), 渡辺純夫(順天堂大学消化器内科)
抄録 【背景】胃原発絨毛癌は稀な疾患であり頻度は胃原発悪性腫瘍の約0.08%と言われている.通常の腺癌と比較し腫瘍発育速度が速く診断時遠隔転移をきたしている症例が多い切除例においても早期に転移・再発を認めることが多くまた化学療法が奏効した報告は少なく予後不良とされている.【症例】73歳男性.平成18年4月より心窩部痛が出現し近医にて上部内視鏡検査腹部CTを施行.噴門部に3型胃癌(tUb2)および多発性肝転移を認めたためTS-1内服治療が施行された. TS-1開始1ヶ月後の上部内視鏡検査にて腫瘍の増大を認めた.その際の生検病理にて絨毛癌と診断され当院紹介入院となった.当院で施行した上部内視鏡検査で胃病変は下部食道に突出する易出血性の1型病変に形態変化し増大していた.またCT上里転移の増悪肺転移を認め血中hCGは8221mlU/mlと高値を示していた.全身検索にて精巣縦隔後腹膜等などに病変は認められず民博:発の絨毛癌と診断した.PTX(80mg/m2Day18)+CDDP(80mg/m2Day18)+5-FU(400mg/m2Day1-58-12)療法を2コース施行し原発巣・肺転移はCR肝転移はPR血中hCGは正常値となった.外来にてb量一weekly PTX療法を開始し6回投与を行なったところで原発巣・肝転移・肺転移はCRであったが新たに食道に転移巣を認めPTX+CDDP+5-FU療法をさらに2コース施行した.これにより食道転移はPRとなったが肝転移・肺転移が再増悪したことからCPT-11+CDDP療法を1コース施行した.食道転移・肝転移は一旦縮小したものの肺転移の急速な増悪胸水貯留を認め当院での化学療法開始後349日目に死亡した.【結語】今回化学療法が奏効するものの急速に形態変化をきたした胃原発絨毛癌の1例を経験したので剖検所見および若干の文献的考察を加え報告する.
索引用語