セッション情報 | 一般演題(ポスター) |
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タイトル | P284 術前化学療法を施行し切除し得たstage4胃癌の一例 |
演者 | 和泉紀彦(国保松戸市立病院消化器科) |
共同演者 | 齋藤秀一(国保松戸市立病院消化器科), 畠山一樹(国保松戸市立病院消化器科), 徳弘直紀(国保松戸市立病院消化器科), 平井康夫(国保松戸市立病院消化器科), 芝崎英仁(国保松戸市立病院外科), 若林康夫(国保松戸市立病院外科), 新井竜夫(国保松戸市立病院外科) |
抄録 | 【症例】43才女性.吐下血を主訴に来院.緊急上部内視鏡検査にて潰瘍底の露出血管に対し止血処置施行.また胃体中部小母中心に半周を占める3型病変を認めた.生検にて印環細胞癌と診断.腹部CT検査では小一側胃壁の著明な肥厚と3群大動脈リンパ節の腫大を認めた.術前診断としてcT2N3MOHOPOCYOcstage4と診断.術前治療としてTS-1+CDDP併用による化学療法を開始した.【経過12コース施行後腹部CT検査にて大動脈周囲の転移リンパ節の縮小を認めた.また上部内視鏡検査では胃体中部小轡の潰瘍性病変は自画化し生検で癌細胞の検出はされなかった。また胃透視にて胃壁の伸展改善.以上より術前抗癌剤療法はPRと判定.大動脈リンパ節の消失はみないも2コース後に胃全摘脾摘術.D2及び16b1のstagingのためのsam-plingを施行した.病理結果では切除断端に癌進展みられずptype3T2(SS)N3CYOsig>tub2だった.また化学療法の組織学的治療効果判定はgrade2と判定した.その後術後化学療法としてTS-1+CDDP1コースその後regimenを変更してTS-1+CPT-11を継続中である.【考察】まず止血を試み全身状態が改善したうえで術前化学療法をdownstagingによる根治度の向上や抗癌剤の感受性の組織学的評価を目的とし行なった.しかし術前化学療法の経過中にどの時点で手術にふみきるべきかについてはっきりしたエビデンスは確立されていない.しかし本症例のように術前化学療法が臨床診断で手術不能例や非根治例に対し切除が可能になることもあり今後有効な治療法のオプションの一つになると考えられた. |
索引用語 |