セッション情報 一般演題(ポスター)

タイトル

P286 胃にびまん性の浸潤を来たし稀な内視鏡所見を呈した多発性骨髄腫の1例

演者 土岐真朗(杏林大学医学部第三内科)
共同演者 山口康晴(杏林大学医学部第三内科), 村山隆夫(杏林大学医学部第三内科), 川越圭(杏林大学医学部第三内科), 田部井弘一(杏林大学医学部第三内科), 畑英行(杏林大学医学部第三内科), 蓮江智彦(杏林大学医学部第三内科), 比嘉晃二(杏林大学医学部第三内科), 田内優(杏林大学医学部第三内科), 中村健二(杏林大学医学部第三内科), 青木圭(杏林大学医学部第三内科), 大倉康男(杏林大学医学部病理学), 甫守正史(杏林大学医学部血液内科), 高橋信一(杏林大学医学部第三内科)
抄録 症例は68歳女性.前胸部痛が出現したため近医受診.免疫電気泳動の結果Bence-Jones protein(λtype)を認めたことから多発性骨髄腫が考えられ当院血液内科入院.右前胸骨腫瘍生検:を行った結果免疫組織化学的検索にてCDI38IgGλ鎖が陽性で核の異型性を伴った形質細胞を認め多発性骨髄腫(lgG一λ型病期分類III期)の診断に至る.MP療法開始となったが入院中吐下血が認められ上部消化管出血疑いにて消化器内科受診となった.Hb7.6g/dlBUN30.7mg/dlt Cr1.8mg/dlと貧血の進行及びBUN/Crの開大が認められショック状態にもなったため輸血及び緊急上部消化管内視鏡検査を施行した.結果胃膨隆部及び胃体上部後壁を中心に不整形で小さな潰瘍性病変が多発しており湧出性出血が認められた潰瘍性病変に対してクリッピングにて止血を行った.生検ではいずれも骨髄腫の浸潤は認められなかった.以後薬剤性肝障害の遷延にて化学療法の再開はできず肺炎腎不全を合併全身状態の増悪にて死亡確認となった.剖検を施行したところ病変は胸骨骨髄椎体骨骨髄胸腔肺縦隔前胸部皮下組織腎門部脂肪組織膵臓副腎卵巣リンパ節(傍気管後腹膜)腎へと拡がっていた.消化管では食道胃回盲部に病変が認められ胃の病変は粘膜内で胃体下部から弩隆部にかけて腫瘍が連続性に認められた.内視鏡で捉えられた多発性骨髄腫の胃転移は報告が少なく興味ある症例を経験したので報告する.
索引用語