セッション情報 | 一般演題(ポスター) |
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タイトル | P287 胃浸潤をきたし上部消化管出血で発見された腹腔内悪性リンパ腫の1例 |
演者 | 鈴木誠祐(住友別子病院内科) |
共同演者 | 山根弘路(住友別子病院内科), 平崎照士(住友別子病院内科), 湯本英一朗(住友別子病院内科), 松本栄二(住友別子病院内科), 松村周治(住友別子病院内科), 神崎洋光(住友別子病院内科), 藤田浩平(住友別子病院内科) |
抄録 | 腹腔内に発生する悪性リンパ腫のほとんどは胃をはじめとする消化管原発であり消化管以外に発生する腹腔内悪性リンパ腫はめずらしい.またそのような腹腔内悪性リンパ腫が胃に浸潤し上部消化管出血をきたした報告は見当たらない.われわれは胃浸潤をきたし上部消化管出血で発見された腹腔内悪性リンパ腫の1例を経験したので報告する.症例は65歳男性.平成19年6月4日上腹部通・黒色便を主訴に当科受診.軽度の貧血を認め腹部に大きな腫瘤を触知した.上部消化管内視鏡検査では胃体上部後壁に5cm大の粘膜下腫瘍様の隆起を認めその中心には白苔を伴う潰瘍があり出血していた.また腹部エコーで膵体尾部から脾臓にかけ巨大な腫瘤を認め翌5日当科入院となる.入院時血液性化学検査では赤血球370万血色素11.3g/d1と軽度の貧血を認めLDH722皿J/L CRP2.3mg/dlと軽度上昇を認めた.膵酵素はAMY1211U/1リパーゼ294U/Lエラスターゼ11070ng/dl膵ホスホリパーゼA2812ng/dlと上昇していたがCA19-9 20U/mlTCEAI5ng/mlと腫瘍マーカーは正常であった.腹部CT・MRで右上腹部膵体尾部から脾臓を中心に巨大な腫瘤を認め腫瘤は胃に浸潤していた膵癌の脾臓・胃浸潤を疑ったが腫瘤内の脈管には比較的保たれた部分を認めたシンチグラムで腫瘤部にガリウムの取り込みを認め悪性リンパ腫の可能性も示唆されたt胃潰図譜からの生検で悪性リンパ腫NHLdiffuse large B cell typeと診断された.Stage2abalkyで化学療法の適応と考えられた化学療法に伴い胃穿孔出血の危険性が高いと考え外科的手術をした後に化学療法を行うことも考慮したが手術侵襲はきわめて大きくなるため十分なインフォームド・コンセントのもとにR-CHOPによる化学療法を施行したt化学療法は著効し3コース目からは外来に移行して現在5コース目の治療中であるがPRで経過良好である |
索引用語 |