セッション情報 | 一般演題(ポスター) |
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タイトル | P289 嚢胞状の形態を有し膵疾患との鑑別を要した胃GISTの1例 |
演者 | 岡野宏(鈴鹿中央総合病院内科) |
共同演者 | 西川健一郎(鈴鹿中央総合病院内科), 佐瀬友博(鈴鹿中央総合病院内科), 斎藤知規(鈴鹿中央総合病院内科), 向克巳(鈴鹿中央総合病院内科), 西村晃(鈴鹿中央総合病院内科), 今井俊積(鈴鹿中央総合病院外科), 林昭伸(鈴鹿中央総合病院中央検査科), 馬場洋一郎(鈴鹿中央総合病院中央検査科), 村田哲也(鈴鹿中央総合病院中央検査科) |
抄録 | 【症例】79歳の男性が上腹部痛で他院を受診し内視鏡検査で胃壁外性圧排を指摘され当院を受診した.当院受診時には症状を認めなかった.血液検査は正常範囲内であった内視鏡検査では胃体部下部から前庭部にかけて小当側に表面平滑な胃内腔に突出する病変を認めた粘膜面に異常はなかった胃透視像でも同様の所見が認められた.腹部CTで膵体舗上方から胃の間にeMmmで内部はcysticで辺縁に濃染する腫瘤を認めた.MRIでは壁の一部に充実性部分が存在する嚢胞性腫瘤を認めたがMRCPでは膵管との連続性は認めなかった. EUSでは腫瘤は一部で胃壁第4層との連続性が疑われたが胃壁外性の腫瘤を否定できなかった.ERCPの膵管造影では病変部との連続性を認めなかった.胃SMTもしくは膵嚢胞性腫瘍疑いで手術を施行された.術中所見は胃SMTで膵との連続性は認めず胃幽門側亜全摘が施行された.腫瘍は60x50 x 50mmの大きさで粘膜面及び漿膜への露出はなく血液の混入した漿液を認めた.腫瘍壁には赤褐色の乳頭状構造と白色の充実性部分を認めた.病理所見では腫瘍は紡錘形で好酸性かつ細線感状の細胞質と梶棒状の核を持った細胞が不規則な柵状配列を示しながら胞巣形成となっていた.核分裂像は1/10HPF未満で免疫組織化学染色でビメンチンCD34CDl17(c-kit)alpha平滑筋アクチン陽性MIB-1陽性率は最大約2%で低悪性度のGISTと診断された.【結論】GISTは径5cm以上の腫瘍は画像上内部構造が不均一になることが多く嚢胞変性や壊死成分を反映すると報告されている一方化学療法後にGISTの転移病巣が嚢胞状に変化した症例も報告されている.しかし一般的にGISTが嚢胞状の形態を示す事は少なく診断に苦慮することも報告されている本症例の様に嚢胞成分が主体をなすGIST症例は他疾患との鑑別治療選択を慎重に行なう必要があると考えられる |
索引用語 |