セッション情報 | 一般演題(ポスター) |
---|---|
タイトル | P296 大腸癌先進部近傍間質細胞におけるthymidine phosphorylase(TP)発現の意義 |
演者 | 河原秀次郎(東京慈恵会医科大学附属柏病院外科) |
共同演者 | 小林徹也(東京慈恵会医科大学附属柏病院外科), 渡辺一裕(東京慈恵会医科大学附属柏病院外科), 篠田知太朗(東京慈恵会医科大学附属柏病院外科), 小林進(東京慈恵会医科大学附属柏病院外科), 柏木秀幸(東京慈恵会医科大学外科学講座消化器外科), 矢永勝彦(東京慈恵会医科大学外科学講座消化器外科) |
抄録 | 【緒言】我々は腫瘍先進部のthymidine phosphorylase(TP)発現がリンパ節転移および予後と強い関連性があることを報告してきた一方TP発現は腫瘍先進部近傍間質細胞で高度にみられるが間質細胞のTP発現と予後との関係については一定した見解が得られていない.今回我々は腫瘍先進部近傍間質細胞のTP発現の意義について検討したので報告する.【対象および方法】1998年から2002年の5年間に当科で経験した直腸癌治癒切除95例(T234例T361例)を対象とした全例術後5年以上の経過観察が可能であった.術後はUFT-E 300mg/m2/dayを1年以上内服する化学療法を行った.腫瘍最大割面を用いて腫蕩先進部のTPおよびVEGF発現程度と術後再発の関係を検討した。発現程度の分類は0:発現せず1:細胞質に淡く発現2:細胞質に濃く発現3:細胞質と核に発現の4段階に分類した.比較対照群を同期間に急性虫垂炎にて虫垂切除術を施行した20例を比較対照群とした.【結果】術後再発は脳転移1例肺転移1例肝転移6例の計8例(8.4%)であった.腫瘍先進部TP発現t間質細胞TP発現腫瘍先進部VEGF発現間質細胞VEGF発現年齢性腫瘍深達度組織型腫癌径腫瘍占拠部位リンパ節転移の11因子と術後再発を多変量解析すると腫瘍先進部TP発現だけが術後再発と強い関連性がみられた(P=0.0190dds Ratio=8.642).虫垂壁織のTPおよびVEGF発現を比較すると間質細胞ではTP発現が高度にみられたがVEGFの発現はみられなかった【考察】TPは血管新生因子であるが間質細胞のTP発現は腫瘍の血管新生だけでなく局所の免疫反応でも増加すると考えられるため悪性腫瘍の特異的な予後指標にはならないと考えられた. |
索引用語 |