セッション情報 一般演題(ポスター)

タイトル

P298 癌ワクチン作成用の腫瘍組織のHsp70とワクチン効果増強についての検討

演者 岡山哲也(京都府立医科大学・免疫内科学)
共同演者 古倉聡(京都府立医科大学・生体安全医学講座), 足立聡子(京都府立医科大学・免疫内科学), 服部武司(京都府立医科大学・免疫内科学), 高木智久(京都府立医科大学・生体安全医学講座), 半田修(京都府立医科大学・生体安全医学講座), 内藤裕二(京都府立医科大学・生体分析医学講座), 吉田憲正(京都府立医科大学・消化器病態制御学), 吉川敏一(京都府立医科大学・免疫内科学), 内村英次(株式会社セルメディシン), 大野忠夫(株式会社セルメディシン)
抄録 【目的】自家がんワクチン療法が臨床に応用され抗腫瘍効果を上げている.今回は自家がんワクチン作成元となる腫瘍に温熱療法を行い癌組織内にHSPを誘導しより効果の高い良質のワクチン作成を試みた.【方法】マウス大腸癌細胞を培養しマウスの皮下に移植しワクチンの元となる皮下腫瘍を作成した.腫瘍を3群に分け摘出直前に1)無処理群2)42℃60分の温熱を行う群3)Hsp70誘導剤を経口投与しその後42℃60分の温熱を行う群の3群を設定し各処理を行った後腫瘍を摘出し各皮下腫瘍のHsp70を測定しマウスに対する自家がんワクチンを作成した.作成したワクチンをマウスの皮内に接種した.最終ワクチン接種より7日後に脾臓細胞のCTL活性の測定を行った.最:終ワクチン接種より7日後に大腸癌細胞を用いて皮下腫瘍モデルと肺転移モデルを作成した.皮下腫瘍モデルでは腫瘍体積と生存曲線肺転移モデルでは肺転移結節数を測定した.【成績】ワクチン作成用皮下腫瘍においては併用群でHsp70の増加を認めた.ワクチン接種後のCTL活性は併用処理した腫蕩より作成したワクチンを接種した群において有意にCTL活性の充進を認めた.また抗腫瘍効果の検討では皮下腫瘍については腫瘍の発育は併用群ワクチン撲種群において有意に抑制効果を認め生存曲線においては延長傾向を認めた.肺転移モデルでは肺転移結節はいずれのワクチン接種群において有意に少なく併用処理ワクチン接種群で最も少なかった.【結論】自家がんワクチンで抗原提示能の高い抗腫蕩効果の増強したワクチンを作成する目的で検討を行った.その結果ワクチン作成用の腫瘍組織の且sp70が多いほど良質のワクチンとなる可能性が示唆された.
索引用語