セッション情報 一般演題(ポスター)

タイトル

P299 温熱処理およびHsp70誘導剤による前処置マウス大腸癌細胞の肺転移の抑制ならびに機序についての検討

演者 岡山哲也(京都府立医科大学・免疫内科学)
共同演者 古倉聡(京都府立医科大学・生体安全医学講座), 足立聡子(京都府立医科大学・免疫内科学), 舟木準(京都府立医科大学・免疫内科学), 服部武司(京都府立医科大学・免疫内科学), 奥田敏充(京都府立医科大学・免疫内科学), 中部奈美(京都府立医科大学・免疫内科学), 高木智久(京都府立医科大学・生体安全医学講座), 半田修(京都府立医科大学・生体安全医学講座), 内藤裕二(京都府立医科大学・生体分析医学講座), 吉田憲正(京都府立医科大学・消化器病態制御学), 吉川敏一(京都府立医科大学・免疫内科学)
抄録 【目的】癌組織ではNF-kBが活性化されており多くの遺伝子発現が誘導されている.固形癌に対する各種治療が遠隔転移を誘発することがありその原因として治療がNF-kBを活性化することが考えられている.そこで各種癌治療に温熱療法を併用することで癌細胞のNF-kBを抑制し遠隔転移を誘発するリスクを軽減できないかと考え本検討を行った.【方法】マウス大腸癌細胞を培養し1)無処置群2)42℃で1時間温熱処理した群3)且sp70誘導剤で細胞を処理した群4)誘導剤処理後温熱処理した群の4群を設定しこれらの細胞をマウスの尾静脈皮下に注入し肺転移皮下移植モデルを作成した.14日後に肺転移形成数皮下腫瘍体積を測定した.WB法にてHsp70の発現を調べた転移機序の検討として蛍光色素のPKH26を用いて肺への接着能の検討を行った.また表面マーカーや各処理細胞におけるNF-kBの発現も検討した.腫瘍細胞が産生するサイトカインを検討するため各4群の処理を行った後24時間後の上澄の各種サイトカインを測定し腫瘍細胞による免疫への関与も検討した.【成績】肺転移モデルでは併用群で肺転移結節数は有意に減少した.皮下腫瘍はいずれ群もほぼ同様に発育した.WB法では併用群においてHsp70の強発現を認めた肺への接着能の検討では併用群において転移形成細胞数の減少を認めた.表面マーカーやNF-kB発現サイトカインについては検討中である.【結論】Hsp70を癌細胞に誘導させることで肺転移能が抑制される可能性が示唆された今後検討を加え直接的な抗腫瘍効果だけではなく異なる方面から癌治療に温熱療法を併用することの重要性を示すことができると考える.
索引用語