セッション情報 | 一般演題(ポスター) |
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タイトル | P300 大腸癌におけるアダプター分子Shcの発現とTyr317のリン酸化状態 |
演者 | 劉石(香川大学医学部消化器・神経内科) |
共同演者 | 宮健(香川大学医学部消化器・神経内科), 谷丈二(香川大学医学部消化器・神経内科), 三好久昭(香川大学医学部消化器・神経内科), 小林三善(香川大学医学部消化器・神経内科), 井上秀幸(香川大学医学部消化器・神経内科), 杵川文彦(香川大学医学部消化器・神経内科), 正木勉(香川大学医学部消化器・神経内科) |
抄録 | 【目的】Shcは癌遺伝子Srcとホモロジーを持ちさまざまな刺激に応答しチロシンリン酸化を受けるアダプター分子の1つである現在まで種々の癌細胞株においてShcのチロシンリン酸化が充癒していると報告されているが大腸癌において詳細な報告はない.そこで大腸癌におけるShcの発現とTyr317のリン酸化状態について解析した.【方法】Shcの発現解析のために大腸癌の細胞株(SW480WrDrCACO-2LoVo)および正常粘膜細胞株としてColo841CoNを使用した.さらに16例の大腸癌の術後組織の癌部非職部を使用した.発現状態はtissue lysateを電気泳動しShcの特異的抗体を用いてWestern blot解析を行った.また317番目のチロシンリン酸化状態もShc特異的チロシンリン酸化抗体を用いて解析した.さらにShcの発現動態を免疫組織学的に検討した.【成績】Western細胞株においてSW480LoVoはShcの3つのアイソフォームのうち46KD52KDのバンドを認めWrDrCACO-2はそれ以外に66KDのバンドも認めた.一方正常粘膜由来の細胞株は46KD52KDのバンドを認めたがその発現はきわめて低かった。大腸癌組織においては非違部と比較し癌部において46KD52KD66KDは強く発現していた.一方Tyr317のチロシンリン酸化は52KDのバンドだけに見られ発現量とは逆に非癌部において尤進していた.免疫組織学的検討においてもShcは正常粘膜細胞よりも癌細胞において増強していたが確かにtTyr317のリン酸化Shcは癌細胞内で減少していた.【結論】大腸癌発生過程においてShcのすべてのアイソフォーム46KD52KD66KDの増強と52KDのチロシンリン酸化の低下が関与していると考えられた. |
索引用語 |