セッション情報 一般演題(ポスター)

タイトル

P301 大腸癌細胞増殖におけるカルシニューリンの役割

演者 増尾貴成(群馬大学病態制御内科学)
共同演者 岡村信一(群馬大学病態制御内科学), 張亜晶(群馬大学病態制御内科学), 蜂巣陽子(群馬大学病態制御内科学), 工藤智洋(群馬大学病態制御内科学), 飯田智広(群馬大学病態制御内科学), 小林良太(群馬大学病態制御内科学), 石川武志(群馬大学病態制御内科学), 森昌朋(群馬大学病態制御内科学)
抄録 【目的】カルシニューリンは蛋白質脱リン酸化酵素の1つでTリンパ球の活性化に必須の役割を果たしている.最近では免疫系以外に脳や心臓での役割も注目されさらには腫瘍性疾患との関連も報告されつつある.そこで今回大腸癌細胞増殖におけるカルシニューリンの役割について検討した.【方法】(1)倫理委員会の承認を得て大腸癌手術検体11例でカルシニューリンの酵素活性を測定しうち8例でウェスタンプロッティングによりカルシニューリンサブユニットAの蛋白質発現を検討した.(2)ヒト大腸癌細胞株HT29およびHCT116にカルシニューリン阻害剤のシクロスポリンを投与し細胞増殖アポトーシス細胞周期関連蛋白proliferating cell nuclear antigen(PCNA)への影響を検討した.【結果】(1)大腸癌手術検体の腫瘍部分では正常粘膜と比較してカルシニューリン酵素活性が1.82倍(P<0.01)と充当し蛋白質発現も増加していた(2)シクロスポリン投与によりHT29.の細胞増殖は濃度依存性に抑制された.アポトーシスへの影響は認めなかったがPCNAの発現が抑制された. HCTI16では増殖抑制効果は低かった.【結論】カルシニューリンはPCNAを介して一部の大腸癌細胞の増殖を促進していることが示唆された.
索引用語