セッション情報 一般演題(ポスター)

タイトル

P311 巨大静脈瘤の治療におけるB-RTOの有効性

演者 渡辺一弘(埼玉医科大学病院消化器内科・肝臓内科)
共同演者 今井幸紀(埼玉医科大学病院消化器内科・肝臓内科), 高谷広章(埼玉医科大学病院消化器内科・肝臓内科), 中澤学(埼玉医科大学病院消化器内科・肝臓内科), 近山琢(埼玉医科大学病院消化器内科・肝臓内科), 安藤さつき(埼玉医科大学病院消化器内科・肝臓内科), 水野芳枝(埼玉医科大学病院消化器内科・肝臓内科), 中村有香(埼玉医科大学病院消化器内科・肝臓内科), 菅原通子(埼玉医科大学病院消化器内科・肝臓内科), 齊藤詠子(埼玉医科大学病院消化器内科・肝臓内科), 濱岡和宏(埼玉医科大学病院消化器内科・肝臓内科), 本谷大介(埼玉医科大学病院消化器内科・肝臓内科), 藤盛健二(埼玉医科大学病院消化器内科・肝臓内科), 稲生実枝(埼玉医科大学病院消化器内科・肝臓内科), 中山伸朗(埼玉医科大学病院消化器内科・肝臓内科), 名越澄子(埼玉医科大学病院消化器内科・肝臓内科), 持田智(埼玉医科大学病院消化器内科・肝臓内科)
抄録 直腸静脈瘤からの出血は食道胃静脈瘤出血に比して頻度が低いが大量出血をきたす場合が多い.これまで内視鏡的治療IVR治療外科的治療などが報告されているが標準的な治療法は未だ確立されていない.今回巨大な直腸静脈瘤に対してB-RTOが有効であった症例を経験した.この症例を基に直腸静脈瘤の治療におけるB-RTOの有用性を検討した【症例】73.歳男性.Child-Pugh分類grade CのC型肝硬変食道静脈瘤めため遇去2回内視鏡的結紮術および硬化療法の治療歴がある.食道のFO再発静脈瘤に対して硬化療法を施行しその9日後に外痔核からの大量出血を認めショック状態となり緊急入院となった.外痔核の出血部位を縫合にて止血したがその後も縫合部付近からの出血を繰り返し再度外痔核縫縮結紮術を施行した.下部消化管内視鏡検査にて肛門外から直腸膨大部まで連続性にF3相当のRCサイン陽性の巨大な静脈瘤が認められた.3D-CTでは供血路である下腸間膜静脈は非常に太く内視鏡的結紮術および硬化療法は困難と判断した.主要な排血路としては下直腸静脈が同定されたためB-RTOを施行した.左大腿静脈より径8mmのバルンカテーテルを外痔核まで挿入造影したところ直腸静脈瘤の描出があり5%EO 26mLを注入した.5時間後に排血路の血流消失を確認して治療を終了した.術後の3D-CTでは直腸静脈瘤の血栓化を認めその後は再出血を認めていない.2ヶ月後の内視鏡検査では直腸静脈瘤の残存を認めたがサイズは縮小し外痔核は消失していた.【結語】本症例のように3D-CTにて主要な排血路が同定できた場合には直腸静脈瘤の治療法としてB-RTOは有用であると考えられた.
索引用語