セッション情報 | 一般演題(ポスター) |
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タイトル | P313 門脈ガス血症の臨床的検討 |
演者 | 島本福太郎(医仁会武田総合病院消化器センター) |
共同演者 | 小嶌祐介(医仁会武田総合病院消化器センター), 滝本見吾(医仁会武田総合病院消化器センター), 梶川洋和(医仁会武田総合病院消化器センター), 山内宏哲(医仁会武田総合病院消化器センター), 松下匡孝(医仁会武田総合病院消化器センター), 松山希一(医仁会武田総合病院消化器センター), 竹村俊樹(医仁会武田総合病院消化器センター), 吉川敏一(京都府立医大免疫内科) |
抄録 | 【はじめに】門脈ガス血症は1955年Wolfeらにより報告された.その機序は完全に解明されていないが腸管壊死を伴うことが多く高い致死率を示している.一方画像診断の進歩により外科的処置が不要な門脈ガス血症の存在が明らかになりtその鑑別診断が重要となってきた.今回我々は門脈ガス血症の症例について文献的考察を加えて報告する.【症例】症例1;84歳男性.腹部大動脈瘤破裂の術後10日目にショックをきたしCTで門脈内および腸間膜静脈内ガスとfree・airを認めた.緊急開腹術にて腸管壊死穿孔を認めた.症例2:76歳女性.糖尿病があり腹痛.嘔気・嘔吐で受診.CTで門脈内および腸管州内ガス像小腸壁の造影不良を認め緊急手術を施行した.以上2例は非閉塞性腸間膜梗塞症(NOMI)と診断した.症例3:63歳女性.高熱腹膜刺激症状で受診CTで虫垂腫大と門脈内ガスを認め虫垂炎による汎発性腹膜炎と診断し緊急手術を施行した.症例4:85歳男性.高熱下痢嘔吐で受診.CTで胃・小腸の拡張と門脈内ガスを認めた.腸管虚血腹膜炎の所見なく感染性胃腸炎と診断し抗生剤の投与で軽快した.症例5:48歳男性.腹痛で救急来院後に心肺停止となり蘇生を試みるも死亡.病理解剖にて胸腹部大動脈解離固目ンポナ・一一一デと診断された。死後CTで門脈内ガスを認めた.【まとめ】症例123は腸管の虚血や壊死に起因する門脈内ガス血症で腸管切除などの緊急手術が必要な病態である.症例4は細菌が産生したガスが静脈内に移行したものと推測された.症例5では心肺蘇生の陽圧換気による腸管内圧と腹圧上昇の結果出現したと考えられた【結論]門脈ガス血症の原因が腸間虚血による場合には早期診断と緊急手術が必要である.一方で保存的治療で改善する症例も存在し適切な鑑別診断が重要である. |
索引用語 |