セッション情報 シンポジウム2(消化器病学会・肝臓学会合同)

C型肝炎治療の最前線

タイトル 肝S2-12:

Telaprevir/PegIFN/RBV併用療法の効果と宿主因子との関連および耐性株の検討

演者 今村 道雄(広島大・消化器・代謝内科)
共同演者 川上 由育(広島大・消化器・代謝内科), 茶山 一彰(広島大・消化器・代謝内科)
抄録 【目的】C型慢性肝炎に対するTelaprevir/PegIFN/RBV併用療法の早期治療効果および貧血と宿主因子の関係を検討するとともに耐性株のプロファイルおよび耐性変異に対する対策を検討する.
【方法】対象は当科にてTelaprevir/PegIFN/RBV併用療法を施行した1b型高ウイルス量のC型慢性肝炎患者38例(臨床治験16例を含む)で初回治療12例,前治療再燃13例,前治療無効13例.次世代シーケンサーを用いたdeep sequenceによる治療前の耐性変異プロファイルおよび宿主因子(IL28BおよびITPA遺伝子多型)と初期の抗ウイルス効果および貧血の程度について検討した.また野生型あるいはtelaprevir耐性株に対するDAA多剤併用療法の治療効果についてヒト肝細胞キメラマウスを用いて検討した.
【成績】治療4週以上経過した27例中26例(96%)において投与4週後の血中HCVは検出感度以下になったが,1例(IL28B TG、前治療無効)でBreakthroughを認めた(Sequence解析中).Deep sequenceにより22例中2例(9%)で治療前,テラプレビル耐性変異が検出されたが,いずれの症例もRVRが得られた.ヘモグロビン減少量は,ITPA CCの症例でCA/AAの症例に比べ有意に低下した.HCVを感染させたヒト肝細胞キメラマウスへのtelaprevir単独投与では耐性変異が出現したが,telaprevir耐性株(V36A変異)感染マウスにはNS5A阻害剤が有効であった.マウスを用いたDAA製剤併用療法の検討では,NS5A阻害剤+第二世代プロテアーゼ阻害剤あるいはNS5B阻害剤のいずれの組み合わせにおいても耐性株は出現せずウイルスの排除が可能であり,難治性の症例に対する有望な治療法と思われた.
【結論】Telaprevir/PegIFN/RBV併用療法は高いRVR率を得られるが,特に前治療無効例では耐性変異の出現が問題となると思われる.Telaprevir耐性変異には他のHCV蛋白を標的とした薬剤が有効であったが今後さらに検討が必要である.
索引用語 C型慢性肝炎, 3剤併用療法