セッション情報 一般演題(ポスター)

タイトル

P316 良性肝嚢胞による閉塞性黄疸の1例

演者 岩岡泰志(県西部浜松医療センター消化器科)
共同演者 山田正美(県西部浜松医療センター消化器科), 影山富士人(県西部浜松医療センター消化器科), 末廣智之(県西部浜松医療センター消化器科), 鏡卓馬(県西部浜松医療センター消化器科), 千田剛士(県西部浜松医療センター消化器科), 渡邉晋也(県西部浜松医療センター消化器科), 寺井智宏(県西部浜松医療センター消化器科), 魚谷貴洋(県西部浜松医療センター消化器科), 高井哲成(県西部浜松医療センター消化器科), 本城裕美子(県西部浜松医療センター消化器科), 吉井重人(県西部浜松医療センター消化器科), 竹平安則(県西部浜松医療センター消化器科)
抄録 【はじめに】肝嚢胞は一般臨床の上でとくに治療を要することなく無症状に経過することが多いが稀に胆管の圧迫や出血・感染などにより重篤な症状を併発することがある.今回我々は肝園部に認められた嚢胞により閉塞性黄疸を生じ塩酸ミノサイタリン注入を含む内科的治療にて改善した1例を経験したので報告する.【症例182歳女性.平成19年4月下旬近医にて肝機能障害を指摘され当科受診.腹部エコー・CT・MRIにて肝右葉S5から左葉内側区にかけて9cm大の嚢胞を認めた.総胆管は嚢胞と門脈に挟まれ圧排を受けており左右の肝内胆管の拡張を伴っていた.19年5月下旬精査加療目的にて当科入院.ERCPによる胆管造影では嚢胞との交通は認めず胆管合流部に圧排による狭窄を認め末梢胆管の軽度拡張を認めた.同時に下部胆管に小結石を併存していた.そのため胆管結石の治療を先行させESTおよび結石排石術を行い次いでENBDを留置し胆道ドレナージを施行した.その後経皮的嚢胞ドレナージを施行し内容液を排液後嚢胞内に塩酸ミノサイタリン300mgを注入した.嚢胞内容液は褐色透明で培養・細胞診とも陰性であった.術後嚢胞は縮小し肝機能も順調に改善.以後外来にて経過観察中であるが術後5か月後となった現在肝機能の上昇は認めず無症状で経過している.【まとめ1良性肝嚢胞による閉塞性黄疸の1例を経験した.以前より肝嚢胞に対しエタノール注入に替わって塩酸ミノサイタリン注入が内科的治療として普及しつつあるが閉塞性黄疸を伴う場合においても本法は有用であった若干の文献的考察を加え報告する.
索引用語