セッション情報 | 一般演題(ポスター) |
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タイトル | P317 肝紫斑病(Peliosis hepatis)による肝破裂に対しTAEにて救命し得た1例 |
演者 | 鈴木茂正(公立藤岡総合病院) |
共同演者 | 鈴木秀樹(群馬大学病態総合外科), 持田泰(公立藤岡総合病院), 平井英子(公立藤岡総合病院), 吉田武史(公立藤岡総合病院), 井出宗則(公立藤岡総合病院), 谷賢実(公立藤岡総合病院), 志村龍男(公立藤岡総合病院), 森永暢浩(公立藤岡総合病院), 石崎政利(公立藤岡総合病院), 桑野博行(群馬大学病態総合外科) |
抄録 | 【症例】症例は60歳女性.平成19年4月目り右季肋部痛が出現し近医でのCTにて肝右葉に多発する不整形のLDA及び肝被膜下血腫を認め当科に精査加療目的に入院した.【入院後経過】第2忌日に急激に顔色不良意識レベルの悪化を認め収縮期血圧は70mmHg台に低下しHbも83g/dlと低下を認めた.造影CTでは肝被膜下血腫の増大を認めた.緊急で血管造影を行ったところA6分岐より出血を認め同部位に対しゼルフォームを用いて塞栓術を行った.当初は肝右前の胆管細胞癌及びその腫瘍破裂の可能性を考えていた.第5病日のMRIにてCTと同様に肝右葉の広範な被膜下血腫及びグリソン鞘に沿うような出血と肝の裂傷を認めたが明らかな出血源となる腫瘍性病変はなくこの時点で肝紫斑病(Peliosis Hepatis)が鑑別疾患として挙げられた.ERCPでは胆道系に異常なくPETでも明らかな悪性の所見は認めなかった.その後のフォローアップのCTでは血腫は縮小傾向で再出血の徴候もなく第51病日に軽快退院した.【考察】肝紫斑病は肝内にびまん性の血液貯留腔を生じるきわめて稀な疾患である多くの場合は剖検:時や腹腔鏡手術の際などに偶然見つかり無症状のことが多いが本症例の様に肝破裂を起こしたり腹腔内出血をきたすこともある.背景疾患には膠原病や悪性腫瘍臓器移植に伴うステロイドや免疫抑制剤の使用結核などの消耗性疾患があるとされるが本症例では原因を特定することはできなかった.今回我々は特発性と思われる肝紫斑病による肝破裂に対し選択的肝油脈塞栓術を行い救命し得た1例を経験したので文献的考察を加えて報告する. |
索引用語 |