セッション情報 一般演題(ポスター)

タイトル

P320 破骨細胞様巨細胞を伴った肉腫様肝癌の1剖検例

演者 松本隆祐(帯広厚生病院消化器科)
共同演者 新智文(帯広厚生病院消化器科), 竹田剛(帯広厚生病院消化器科), 柳澤秀之(帯広厚生病院消化器科), 菊池英明(帯広厚生病院消化器科)
抄録 症例は57歳男性。肝疾患の既往なし.2005年5月背部痛胃部不快感でA病院を受診した.CTで肝S4に腫瘍を認め閉塞性黄疸もあり精査加療目的で同院に入院となった.ENBD挿入されたが黄疸が改善せず6月にB大学病院に転院した.腫瘍は肝S4から前区域の門脈に浸潤し画像所見から胆管細胞癌が疑われたが肝両論に腫瘍が多発しており切除不能と判断された.肝外側区からPTBD挿入されT-B 28mg/dlから12mg/dlと減黄されその後緩和療法目的に7月当院に転院となった.当院入院時WBC 16900/μ1T-B 14.9血g/dlAST 3651U/1ALT 2271U/1LDH 3671U/1ALP 13981U/L’rGTP 18711U/LCRP12.20mg/dlCEA 2.4ng/m1AFP 2ng/m1CA19-937U/mlと炎症反応高値肝胆道系酵素上昇を認めた.各種肝炎ウィルスマーカーは陰性であった.アルコールは機会飲酒BMI 26と軽度肥満を呈していた.CTでは肝S4主体に10cm大の低吸収の腫瘍が見られ腫瘍周囲のみが造影された.さらに門脈左枝閉塞右枝狭窄左肝静脈下大静脈に腫瘍塞栓を認めた.また肝内に多数の低吸収域があり左肺舌区に肺転移も認めた.当院では緩和療法に徹し8月に死亡された.剖検では肝S4に黄色調で12x10cm大の腫瘍が占拠し病理組織では破骨細胞様巨細胞を多数認め類洞に紡錘形細胞が浸潤している肉腫様肝癌と診断した.腫瘍は肝四部面外胆管胃に直接浸潤し門脈左肝静脈下大静脈に1血管内浸潤していた.門脈閉塞による脾腫軽度食道静脈瘤腹水が見られた.また膵肺に遠隔転移し病理組織で破骨細胞様巨細胞を認めた.破骨細胞様巨細胞を伴う肉腫様肝癌の報告例は我々が調べうる限りでは14例しか無く若干の文献的考察を加えて報告する.
索引用語