セッション情報 一般演題(ポスター)

タイトル

P324 閉塞性黄疸を呈した胆管浸潤肝細胞癌に対しRFAが有効であった1例

演者 今井径卓(済生会新潟第二病院・消化器科)
共同演者 石川達(済生会新潟第二病院・消化器科), 太田宏信(済生会新潟第二病院・消化器科), 上村博輝(済生会新潟第二病院・消化器科), 土屋淳紀(済生会新潟第二病院・消化器科), 渡辺孝治(済生会新潟第二病院・消化器科), 関慶一(済生会新潟第二病院・消化器科), 吉田俊明(済生会新潟第二病院・消化器科), 上村朝輝(済生会新潟第二病院・消化器科), 武田敬子(済生会新潟第二病院・放射線科), 石原法子(済生会新潟第二病院・病理検査科)
抄録 【症例】80歳男性.1996年にC型慢性肝炎と診断され2003年2月腹部超音波検査(US)にて肝S5-8に肝細胞癌が疑われたため当科紹介t肝動注化学塞栓療法(TACE)およびラジオ波焼灼療法(RFA)を施行した.2007年3月27日より腹痛下血黄疸が出現し3月30日精査加療目的に入院した.【検査成績】AST 801U/1ALT 861U/1T-bil 6.69mg/dlD-bil 5.34rng/dlALP 6041U/1と胆道系酵素優位の肝障害Hb 11.5g/dlと軽度貧血を認めた。【経過】3月30日USにて胆管拡張を認め腹部CTにて肝S5-8低吸収域(初回治療部位)辺縁の胆管内に早期濃染結節を認め胆管浸潤肝細胞癌と考えられたまた総胆管内に高吸収を認め腫瘍からの胆管内出血が疑われたため上部消化管内視鏡検査を施行十二指腸乳頭部からの出血を認めた.同日血管造影検査および肝動注塞栓療法(TAE)を施行し4月11日同部位に対してRFAを施行した.黄疸は徐々に軽快し局所再発も認めていないが8月10H肝S8焼灼部位より末梢にbilomaが出現した.【考察】肝細胞癌は門脈や肝静脈に浸潤発育する頻度は高いが胆管への浸潤は少ない.胆管内に腫瘍が発育すると閉塞性黄疸を来たし腫瘍先端から脱落した壊死物質や腫瘍からの出血により胆道内出血を伴う場合もある.胆道内出血に対する治療としてTAEが外科的処置に比較して低侵襲かつ救命率の高い治療として注目されている.本例では胆道内出血に対してTAEに加えRFAを施行した本例は肝細胞癌の初回治療4年2ヶ月後に胆管浸潤の形式で局所再発した症例である.通常RFA単独では胆管を充分焼灼できないが今回はBilomaが出現する程度まで焼灼したことが効果的であった可能性がある.本例のような胆管浸潤肝細胞癌に対しては胆管を含めて充分に焼灼することが重要と考えられた.
索引用語