セッション情報 | 一般演題(ポスター) |
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タイトル | P328 Bcl-2特異siRNAによる膵癌細胞のGemcitabine抵抗性の改善 |
演者 | 岡本欣也(鳥取大学機能病態内科学) |
共同演者 | オッカーマティアス(ドイツエルランゲン=ニュルンベルグ大学第1内科), ゾップスシュテフェン(ドイツエルランゲン=ニュルンベルグ大学第1内科), ハロルドクリストフ(ドイツエルランゲン=ニュルンベルグ大学第1内科), ハーンエックハルト(ドイツエルランゲン=ニュルンベルグ大学第1内科), 村脇義和(鳥取大学機能病態内科学) |
抄録 | 【目的】膵癌は早期発見が難しく加えて進行膵癌の予後は非常に悪い.進行膵癌に対する化学療法としてヌクレオチドアナログであるGemcitabineはt膵癌の生存期間を改善し疾患に関連する症状を緩和すると報告されている.しかしGem・citabineの治療効果は限定的でありその抵抗性の理由の一つとしてミトコンドリア膜の電位保持によって抗アポトーシス効果を示すbcl-2の膵癌細胞内での過剰産生が指摘されている.近年RNA干渉現象を利用したshort interferenceRNA(siRNA)により特異的にタンパク発現を抑制することが可能となっている.今回我々はbct-2に特異的なsiRNA(siBCL2)とGemcitabineとの併用効果を検討した.【方法】In vitroおよびin vivoにおいてsiBCL2とGemcitabine併用による膵癌細胞の増殖抑制アポトーシス誘導能を検討した.【結果】siBCL2投与群ではbc1-2のmRNAがコントロール群の1/140未満まで抑制されsiBCL2投与後72時間後にGemeitabineを併用した群ではGemcitabine単独では効果の見られなかった低濃度においてもアポトーシスが誘導された.陰性対照として用いたヒト線維芽細胞はこれらの実験に対しわずかな反応しか示さなかった.In vivOにおいてヌードマウスの皮下に接種したヒト膵癌腫瘍に対しsiBCL2およびGemcit-abineの腹腔内投与にて増殖抑制効果を検討したところsiBCL2とGemcitabineの併用群で有意な腫瘍抑制効果が認められ併用群の腫瘍組織PCNAおよびTUNELbcl-2染色では細胞増殖の抑制とアポトーシスの増加bc1-2発現の減少が認められた.【結論】siRNAによるbc1-2の抑制がヒト膵癌細胞のGemcit-abineへの感受性を増幅する事が示された. siBCL2の安全な投与方法が確立すればGemcitabineとの併用療法は進行膵癌に対する治療として期待される |
索引用語 |