セッション情報 | 一般演題(ポスター) |
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タイトル | P336 アルコール性膵石症に合併した膵管内乳頭粘液性腺癌(IPMC)の1例 |
演者 | 瀧井道明(大阪医科大学第二内科) |
共同演者 | 増田大介(大阪医科大学第二内科), 有坂好史(大阪医科大学第二内科), 楢林賢(大阪医科大学第二内科), 小倉健(大阪医科大学第二内科), 藤原新也(大阪医科大学第二内科), 宮地克彦(大阪医科大学第二内科), 本合泰(大阪医科大学第二内科), 樋口和秀(大阪医科大学第二内科), 高折恭一(大阪医科大学一般・消化器外科), 岩本充彦(大阪医科大学一般・消化器外科), 谷川允彦(大阪医科大学一般・消化器外科) |
抄録 | 症例は70歳代の男性.以前から大酒家で急性膵炎の既往もありアルコール性慢性膵炎珪石症と診断されて経過観察されていた.腹部症状は認められないが高アミラーゼ血症が持続するので精査目的で当科を紹介された画像検査では膵頭部に石灰化膵石と膵頭部から軸部にかけて30m皿大の多房性の嚢胞性病変が認められ主膵管は著明に拡張して膵実質の著明な萎縮が認められた.メシル酸カモスタット内服によって膵酵素値の低下が認められたので平成18年2月精査目的で入院となった.ERCPを施行すると膵頭部主膵管内に15mm大の石灰化膵石が嵌頓しているのが認められた.そして膵頭部分枝膵管は最大径30mmと嚢胞状に拡張し膵体尾部主事管は最大径18mmと著明な拡張が認められた.そこで膵液うっ滞の改善と膵管系の精査を目的としてENPDチューブを留置した上でESWLを施行したところ蛭石は破砕されてほぼ消失が得られた.ESWL後にERCPを再検すると主膵管径は12mm嚢胞径は25mmと縮小が認められた.しかし膵管皿)USでは嚢胞状に拡張した分枝膵管内に6mm大の結節性病変が描出され膵管鏡では同部にイクラ状粘膜も観察された.Vater乳頭膵管口から粘液様の排出も認められるようになり混合型のIPMNが疑われたので同年5月膵頭十二指腸切除術が施行された.病理組織像では膵管上皮には乳頭状に増殖する上皮の増殖が認められ過形成から腺腫まで様々な異型度を呈していた.そして嚢胞状に拡張した分枝膵管の上皮の一部には粘膜内に発育し低異型度ではあるが高分化型腺癌が認められたのでIPMCと診断された.膵石症とIPMNの合併例は稀で示唆に富む症例であり文献的考察も加えて報告する. |
索引用語 |