セッション情報 | 一般演題(ポスター) |
---|---|
タイトル | P337 IPMNに合併した同時性多発浸潤性膵管癌の1切除例 |
演者 | 小泉一也(市立旭川病院消化器病センター) |
共同演者 | 藤井常志(市立旭川病院消化器病センター), 松本昭範(市立旭川病院消化器病センター), 鈴木聡(市立旭川病院消化器病センター), 助川隆士(市立旭川病院消化器病センター), 小澤賢一郎(市立旭川病院消化器病センター), 折居史佳(市立旭川病院消化器病センター), 垂石正樹(市立旭川病院消化器病センター), 斉藤裕輔(市立旭川病院消化器病センター), 高田明生(市立旭川病院病理部) |
抄録 | 症例は52歳男性.27歳時に胃癌にて幽門側胃切除術の既往がある.H19年8月上旬皮膚黄染にて近医を受診し肝胆道系酵素の上昇を指摘され当院紹介入院となった.CTにて膵頭部に25mm大の腫瘤性病変を認めたほか、膵尾部にも35mm大の腫瘤性病変を認めた.各々の病変の乳頭側には嚢胞性病変が存在しさらに膵頭部に腫瘍と離れて嚢胞性病変がみられた.MRCPでは膵尾部の主膵管に狭窄像を認めた.膵頭部の主膵管は圧排様変化のみであったが下部胆管は狭窄像を呈していたまた多発する多門性の嚢胞性病変を認めたEUSでは膵尾部に辺縁結節状の低エコー腫瘤を認めさらに膵頭部の病変も辺縁不整な低エコー腫瘤として描出された嚢胞性病変はいずれも多房性の形態で内部に結節状構造を認めなかった.ERCPでは主乳頭開口部の開大と粘液流出がみられ膵尾部で主膵管の途絶を認めた.膵頭部の主膵管には明らかな狭窄はなかったが膵内胆管に狭窄を認めた.また膵頭部で拡張分枝がわずかに造影された.以上より膵尾部の腫瘤性病変については膵管癌と診断した.膵頭部病変に関しても膵管癌の併発を考えたが転移などとの鑑別は困難であった.当院外科にて膵全摘+脾臓摘出+残胃摘出術を施行したところ病理学的には膵尾部病変は低分化型管状腺癌であり膵頭部病変は中分化型管状腺癌であった.いずれも異なる組織像を呈しかつ連続性を認めなかったため同時性多発浸潤性膵管癌と診断した.嚢胞性病変については癌に近接している病変及び離れている病変ともに粘液を含む高円柱上皮からなりIPMNと診断した. IPMNは多中心性発生の可能性や癌の合併が多いことが報告されているが本症例はIPMNが存在する膵臓に同時性に浸潤性膵管癌が多発した極めてまれな症例であり報告する. |
索引用語 |