セッション情報 一般演題(ポスター)

タイトル

P338 壁在結節を有するIPMN分枝型との鑑別を要した膵漿液性嚢胞腺腫の一症例

演者 堀内葉月(奈良県立医科大学附属病院消化器内科)
共同演者 美登路昭(奈良県立医科大学附属病院消化器内科), 吉田太之(奈良県立医科大学附属病院消化器内科), 山尾純一(奈良県立医科大学附属病院消化器内科), 沢井正佳(奈良県立医科大学附属病院消化器内科), 豊原眞久(奈良県立医科大学附属病院消化器内科), 森岡千恵(奈良県立医科大学附属病院消化器内科), 守屋圭(奈良県立医科大学附属病院消化器内科), 西尾福真理子(奈良県立医科大学附属病院消化器内科), 塩山えりか(奈良県立医科大学附属病院消化器内科), 山田高嗣(奈良県立医科大学附属病院消化器外科), 庄雅之(奈良県立医科大学附属病院消化器外科), 中島祥介(奈良県立医科大学附属病院消化器外科), 福井博(奈良県立医科大学附属病院消化器内科)
抄録 【症例】35歳女性.【主訴】嘔気.【臨床経過】且6年近医初診.膵頭部腫瘤を指摘精査目的で当科紹介.USCTにて腫瘤は膵頭部の被膜を伴わない径3cmの多房性嚢胞性腫瘍として捉えられた.内部に小嚢胞の集籏を疑う濃染域を認めるが石灰化はなしMRIEUSでは多脳性嚢胞内に充実成分はなく体尾部主膵管は軽度拡張.ERCPでは淡く嚢胞が描出された.漿液性嚢胞腫瘍が最も疑われたため近医にて経過観察となる.H17年5月に近医で撮影されたMRIにて腫瘍径は5cmと増大大小の嚢胞が引廻したブドウの房状を呈したためIPMN分枝型を疑われ再度当科紹介となる.血液検査ではAMYが3321U/しと上昇腫瘍マーカーは陰性. CTで多房性魏性臨は6cmで最耀の魏は35mm.内部には13㎜大の嫉成分あり。また腫瘍内に車軸様構造石灰化を認めた.EUSでは嚢胞内に結節隆起を認め主膵管は不規則に拡張していたERCPでは主膵管は腫瘍に圧排されるように狭窄し末梢は8mmに拡張していた. macrocystを有する漿液性嚢胞腺腫を最も疑ったが嚢胞は増大し内部に充実成分を有し膵管も高度に狭窄しているため外科的治療の適応と考えH19年6月悪者幽門輪温存膵頭十二指腸切除術を施行.病理組織学的には大小の嚢胞が集関する多房性嚢胞性腫瘍で嚢胞内面を被う上皮は立方状扁平状であった.上皮の増殖は軽度で細胞異型も軽度でありserous cystadenomaの診断を得た.術前の画像診断で指摘された結節はmicrocystの集籏と考えられた.【結語】12年間の経過で手術に至った膵漿液性嚢胞腺腫の一例を経験した.嚢胞がブドウの房状であること嚢胞内に充実成分を認めたこと主膵管と嚢胞の交通を認めたことなどIPMN分枝型との鑑別を要する興味深い症例と考えられた.
索引用語