セッション情報 一般演題(ポスター)

タイトル

P342 限局性膵管狭窄を合併した膵内分泌腫瘍の一例

演者 小倉健(大阪医科大学第2内科)
共同演者 有坂好史(大阪医科大学第2内科), 増田大介(大阪医科大学第2内科), 瀧井道明(大阪医科大学第2内科), 藤原新也(大阪医科大学第2内科), 宮地克彦(大阪医科大学第2内科), 本合泰(大阪医科大学第2内科), 樋口和秀(大阪医科大学第2内科), 岩本充彦(大阪医科大学一般・消化器外科), 谷川充彦(大阪医科大学一般・消化器外科), 江頭由太郎(大阪医科大学第1病理)
抄録 症例は42歳男性.平成18年4月心窩部痛で近医を受診し腹部USで膵管拡張を指摘され当科に紹介入院となった.MRCPでは主膵管は体部で狭窄を認めその尾側は径10mmと拡張を認めた. USでは膵管狭窄部に淡い低エコー腫瘤の存在が疑われたがMDCTでは明らかな腫瘤は指摘できなかった.十二指腸内視鏡では乳頭に異常なくERPでは膵体部に約3mm幅の限局した全周性の強い狭窄を認めた.狭窄部の尾側へのtube留置やIDUSを試みたがガイドワイヤーが狭窄部を通過せず狭窄部より乳頭側にENPD tubeを留置し膵液細胞診を行ったが陰性であった.膵管狭窄の原因は膵管炎など慢性膵炎によるものを疑ったが膵癌の可能性を完全に否定できず膵中央切除術を施行した.切除標本の病理組織では病変部には高度の膵腺房の萎縮があり膵管狭窄部を取り囲む様に強い線維化が認められた.線維化巣の内部には一部狭窄膵管に接して索状配列をとる小胞巣とその間に存在する豊富な線維増生からなる約5mmの結節が認められた.免疫染色では結節部はクロモグラニンA及びセロトニンがびまん性に陽性を示しendocrine tumorと考えられた.以上限局性膵管狭窄に接して膵内分泌腫瘍を認めた興味ある1例を経験したので本邦報告例を含めて若干の文献的考察を加えて報告する.
索引用語