セッション情報 | 一般演題(ポスター) |
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タイトル | P345 腎細胞癌術後5年目に発見され切除し得た膵転移の一例 |
演者 | 永易希一((財)東京都保健医療公社東部地域病院外科) |
共同演者 | 丸笹崇((財)東京都保健医療公社東部地域病院外科), 中谷晃典((財)東京都保健医療公社東部地域病院外科), 辻昌孝((財)東京都保健医療公社東部地域病院外科), 北島政幸((財)東京都保健医療公社東部地域病院外科), 渡部智雄((財)東京都保健医療公社東部地域病院外科), 落合匠((財)東京都保健医療公社東部地域病院外科), 西村和彦((財)東京都保健医療公社東部地域病院外科), 二川俊二((財)東京都保健医療公社東部地域病院外科), 折笠英紀((財)東京都保健医療公社東部地域病院検査科) |
抄録 | 今回我々は腎摘後5年目に発見され切除可能であった膵転移の1例を経験したため若干の考察を加え報告するt症例は73歳女性.2001年に左腎細胞癌の診断で当院泌尿器科にて経腰的左腎臓摘出術の既往がある.術後は同科外来で経過観察されていた術後5年目の定期検査で腹部CT・MR【所見上膵頭部にほぼ均一に濃染される約10mm大の孤立性腫瘍を認めた.超音波所見では同部位にやや内部不均一なlow echoic massとして描出された.血管造影では胃十二指腸動脈および背側膵動脈をfeeding arteryとした約13mm大の均一な腫瘍濃染像を認めた.膵内分泌腫瘍を含め悪性腫瘍も否定できず2007年2月手術を施行した.術中迅速病理検査にて既往の腎細胞癌と同様の所見を認めたため腎癌の膵転移と診断し腫瘍核出術を施行した.固定標本の病理所見でも淡明な細胞質や比較的小型の濃染核を持つ細胞から成る腫瘍でclear cell carcinomaの膵転移像として確定診断された.腎細胞癌は肺・肝・骨髄などに比較的高頻度に転移をきたすとされているが膵への転移は稀であり本邦報告例を見ると遼隔転移の13%程度であると言われている.さらに腎癌は原発巣治療後かなりの年月が経過してから転移巣が出現する事もあり長い経過観察が必要とされている.特に膵転移においては腎癌と診断されてから膵転移出現までの平均期間は10年前後と非常に長い事も特徴である.また一般的に原発巣によらず転移性膵腫瘍の大多数が切除不能な末期状態として出現するため切除し得た例では比較的良好な予後が期待できるとされており今後も厳重なfollow upが必要と考えられる. |
索引用語 |