セッション情報 一般演題(ポスター)

タイトル

P346 腎癌術後多発膵転移に対し十二指腸温存膵全摘を施行した1例

演者 藤田泉(東京女子医大消化器外科)
共同演者 羽鳥隆(東京女子医大消化器外科), 松浦裕史(東京女子医大消化器外科), 古川徹(東京女子医大国際統合医科学インスティテュート), 山本雅一(東京女子医大消化器外科)
抄録 腎細胞癌は一般的に肺骨肝への転移が多く膵への転移は比較的稀であるが膵転移をきたすものには低悪性度で発育が緩徐なslOWgrowing typeが知られており積極的な切除により予後の改善が期待できる。今回他医で膵血管腫として4年経過観察された多発膵転移に対し十二指腸温存膵全摘を施行した症例を経験したので文献的考察を加え報告する.症例は67歳女性で1998年9月副腎細胞癌に対し騰落摘術が施行され術後補助療法としてインターフェロンを投与していた.2003年10月CTで膵尾部に血流豊富な腫瘤を認めたが膵血管腫の診断で経過観察され徐々に増大傾向を認めたため当科入院となった.CTでは膵体尾部中心に膵全体に10mmから50rnm大のhypervascUlar tumorを認め膵頭部病変は主膵管を圧排し尾側膵管は拡張していた.MRIではT1強調で低信号T2強調で不均一な高信号を示し不均一な造影効果を認め血管腫とは信号が異なることから腎細胞癌の膵転移を強く疑い2007年9月十二指腸温存膵全摘を施行した.病理組織検査で腎細胞癌膵転移(clear cell type)と診断された.術後経過は良好でインスリン投与(R-R-R-N)消化酵素剤の大量投与を行っている.
索引用語