セッション情報 | 一般演題(ポスター) |
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タイトル | P348 高度な消化管病変を呈したアレルギー性紫斑病の1例 |
演者 | 山本富美子(豊橋市民病院) |
共同演者 | 岡村正造(豊橋市民病院), 浦野文博(豊橋市民病院), 藤田基和(豊橋市民病院), 馬渕龍彦(豊橋市民病院), 山田雅弘(豊橋市民病院), 北畠秀介(豊橋市民病院), 石黒裕規(豊橋市民病院), 佐々木淳治(豊橋市民病院), 山田哲(豊橋市民病院) |
抄録 | 【症例】28歳男性【主訴】腹痛【既往歴・家族歴】特記事項なし【現病歴】平成19年8月23日昼より心窩部の不快感を自覚し食思不振がみられた.症状の改善がないため8月26日に当院救急外来を受診した.黒色捜物暗赤色の下血を認めたため上部消化管内視鏡を施行したところ上十二指四角から下行脚にかけて不整な潰癌を全周性に認めた翌8月27日に外来を受診した際腹痛が増悪していたため精査目的に入院となった.【経過】補液。抗生剤絶食にて治療を開始したが腹痛の改善は見られず8月29日に下部消化管内視鏡を施行し回盲部に不整地図状の潰瘍を全周性に認めた.加えて8月30日より四肢末梢に紫斑関節痛・腫脹蛋白尿が出現した.皮膚科を受診し生検を施行した結果アレルギー性紫斑病と診断された.9月7日よりPSL20mg/日を内服開始したが症状の改善乏しいため9月10日に60mg/日に増量した.腹部症状は一旦落ち着いたが蛋白尿が9.18g/日と多量であり腎炎の合併が示唆された.9月26日より1g/日x3日のステロイドパルス療法を施行し腎生検を行った.結果はアレルギー性紫斑病に矛盾しない像で半月体も見られた.蛋白尿は減量なく10月12日より2回目のステロイドパルス療法を施行以後は50mg/日の内服で維持した.消化管病変の改善を確認するために10月22日上部消化管内視鏡を施行したところ十二指腸に潰瘍は認めず幽幽を認めるのみとなっていた.また10月23日には経肛門的シングルバルーン小腸内視鏡検査を施行した.前回認められた回盲部病変はわずかな搬痕となって治癒し回腸は100cmほど観察したがびらんも消失していた.2回のステロイドパルス療法とステロイド維持療法により腎障害も改善傾向を示している.【結語】今回我々は典型的な臨床経過であるが高度な消化管病変を呈した1例を経験した.文献的考察を加えこれを報告する. |
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