セッション情報 | 一般演題(ポスター) |
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タイトル | P351 慢性特発性偽性腸閉塞症の一例 |
演者 | 井星陽一郎(九州大学病態制御内科学) |
共同演者 | 長田美佳子(九州大学病態制御内科学), 村尾寛之(九州大学病態制御内科学), 荻野治栄(九州大学病態制御内科学), 金山兼司(九州大学病態制御内科学), 隅田頼信(九州大学病態制御内科学), 吉永繁高(九州大学病態制御内科学), 板場壮一(九州大学病態制御内科学), 秋穂裕唯(九州大学病態制御内科学), 中村和彦(九州大学病態制御内科学), 高柳涼一(九州大学病態制御内科学), 後藤綾子(九州大学形態機能病理学), 八尾隆史(九州大学形態機能病理学), 壬生隆一(九州大学第1外科), 鶴丸大介(九州大学臨床放射線科学), 宇都宮尚(九州大学臨床放射線科学), 落合利彰(福岡県済生会福岡総合病院・内科) |
抄録 | 症例は40歳男性生来健康であった.平成15年より下痢嘔吐が出現し検診で低コレステロール」血症を指摘された.工日67行の下痢体重減少のため平成17年5月に前門入院し十二指腸・小腸の拡張を指摘され特発性吸収不良症候群として経過観察された.症状強くなり血清アルブミン1.7g/dlと低下したため平成19年7月に当科入院.身長169.2cm体重40.1kgとるいそうを認めた膠原病を疑う皮膚所見を認めなかった.悪心・腹部膨満感あり1日10行の泥状便総蛋白3.4g/dlと低下消化管吸収能は吸収不良を示した.X線検査で十二指腸から小腸のガス像の拡張蠕動の低下を認めたが機械的閉塞を認めなかった.輸送能では十二指腸通過時間の延長を認めた.代謝性疾患や炎症性疾患膠原病など検索範囲で否定的で慢性偽性腸閉塞症(Chronic intestinal pseudo-obstruction以下CIPO)と診断した中心静脈栄養で反応がみられた.CIPOは消化管運動の著しい低下を特徴とし病理学的に平滑筋カハール介在細胞腸管内神経叢外因性神経支配の異常などが原因とされ原疾患に続く続発性と基礎疾患のない特発性がある.本症例では空腸の全層生検を行ったが筋層・アウエルバッハの神経層を含め確定診断に結びつく特異的な所見は認めなかった.他に基礎疾患も認めずChronic idiopathic intestinal pseudo-obstruction(CHP)と診断した.CIPOCHPは一般的に非特異的な消化器症状から進行性にサブイレウス症状等を来たす.続発性では原疾患の治療に反応しうるがその他は栄養療法薬物療法手術療法が試みられ在宅中心静脈栄養が必要となることも多い.CIPOは稀な疾患であり若干の文献的考察を加えて報告する. |
索引用語 |