セッション情報 一般演題(ポスター)

タイトル

P353 術前CTにより診断可能であった児石による癒着性イレウスの1例

演者 鈴木貴久(トヨタ記念病院消化器科)
共同演者 篠田昌孝(トヨタ記念病院消化器科), 高士ひとみ(トヨタ記念病院消化器科), 高橋宏尚(トヨタ記念病院消化器科), 村山睦(トヨタ記念病院消化器科), 森瀬和宏(トヨタ記念病院消化器科), 宇佐美彰久(トヨタ記念病院消化器科), 鈴木孝(トヨタ記念病院消化器科), 辻秀樹(トヨタ記念病院消化器外科), 佐藤篤司(トヨタ記念病院消化器外科), 山川雄士(トヨタ記念病院消化器外科)
抄録 【症例】80歳女性【既往歴】30歳時肺結核.30年前に虫垂炎.【現病歴】2007年6月23日より間欠的な右下腹部痛嘔吐が出現し6月24日当院ERに受診したが急性腸炎の診断で帰宅症状改善なく6月26日当科を受診腹部CTで腫瘤および軽度の腸管拡張を認めイレウスを合併した腹部腫瘤の診断で入院.【身体所見】体温:36.8℃血圧152/92mmHg脈拍88/分・整.貧血・黄疸なし.右下腹部に下目大の腫瘤を認め同部位に圧痛あり.筋性防御なし【検査所見】WBC9800/plHb139g/dlPlt163 x 104/plAST28U/1ALT16U/LLDH382U/1CK287U/1BUN18皿g/d1CrO.6mg/dlCRPO.3mg/d1.【入院時腹部CT】右下腹部に8x5cmの高度石灰化を伴う腫瘤あり腫瘤は人工物を疑う不自然な石灰化を呈し軽度の小腸の拡張.壁肥厚を認めた【入院後経過1CT結果を再検討すると腫瘤内に骨条件にて脊柱肩甲骨長山骨などが疑われ腫瘤は児石と診断した保存的治療にてイレウス症状の改善なく6月27日手術.【手術所見1腫瘤は回盲部直上に存在した.腫瘤には直径1cmの索状物が付着しており左卵管に連なるバンドを形成していた.索状物を結紮し切離した.索状物により圧排されていた小腸は回腸末端より側側に70cmの部位から100cmまでの30cmであった.小腸に血行不全は認めず腫瘤を摘出し手術を終了した.【摘出標本】腫瘤は13cmx8cmx6cm大で表面は平滑で大網に覆われていた.術後経過は良好で7月11日退院【考察1ミイラ化した胎児に石灰が沈着し硬化した状態の胎児を石児という.子宮外妊娠に多いとされるが極めてまれである.本症例の石児は30年前より存在し癒着性イレウスをきたし発見に至った.【結語】イレウスを契機に発見され手術前にCT検査により石児と診断可能だった貴重な症例を経験したので報告した
索引用語