セッション情報 | 一般演題(ポスター) |
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タイトル | P355 急性上腸間膜動脈解離の2例 |
演者 | 伊藤博(金沢大学救急部・集中治療部) |
共同演者 | 蕪木友則(金沢大学救急部・集中治療部), 小見亘(金沢大学救急部・集中治療部), 野田透(金沢大学救急部・集中治療部), 太田圭亮(金沢大学救急部・集中治療部), 後藤由和(金沢大学救急部・集中治療部), 谷口巧(金沢大学救急部・集中治療部), 稲葉英夫(金沢大学救急部・集中治療部), 木村圭一(金沢大学心肺・総合外科学), 大竹裕志(金沢大学心肺・総合外科学), 渡邊剛(金沢大学心肺・総合外科学), 太田哲生(金沢大学消化器・乳腺外科学) |
抄録 | 大動脈解離を伴わない上腸問膜動脈(SMA)解離は比較的稀な疾患である.今回保存的に観察し得た2例を報告する.【症例1]46歳男性激しい腹痛で無医を受診し腹部CT検査でSMA解離と診断され加療目的に本院入院となった.血液生化学検査で白血球数とCRPの上昇を認めた.腹部所見では膀周囲に圧痛のみ認めた.腹部造影CTでSMA解離を認めたが偽腔は血栓化しており大動脈やその他の主要分岐は異常なく腸管の虚血は認めなかった.降圧抗凝固療法で経過観察し軽快したため第16病日に退院となった.発症より5ヶ月経過後の腹部造影CTではSMA解離の偽腔は閉鎖し内腔の狭窄は認めず末梢側の拡張は以前と比べ不変である.【症例2】59歳男性.突然の上腹部痛のため当院を受診し腹部CT検査でSMA解離と診断され加療目的に入院となった.血液生化学検査で異常を認めず腹部所見では上腹部に圧痛のみ認めた.腹部造影CTでSMA解離を認め真鯉は狭窄し解離は空腸枝に及んでいた.大動脈やその他の主要分岐は異常なく腸管の虚血は認めなかった.降圧抗凝固療法で経過観察し軽快したため第18病日に退院となった.発症より6ヶ月経過後のCTではSMA解離の偽腔は血栓閉塞し真腔の狭窄の程度は発症時とほぼ変化なく腸管の虚血も認めていない.SMA解離の治療に関し最近では保存的に経過観察し得たという報告も散見され腸管虚血さえなければ多くは保存的治療で軽快する.本朝も腸管虚血を認めないことより保存的治療を選択した.保存的治療を行う場合抗凝固療法併用の是非について確立したものはない.本例では降圧と抗凝固療法を行い合併症もなく退院可能であった.経過観察例はCTによる再評価が重要となるがその間隔についても確立したものはない.発症早期は間隔を短くする必要があると思われ本門では発症から1-2週後に再検し以降は1月毎の間隔で行い著変なく保存的に経過観察可能であった |
索引用語 |