セッション情報 一般演題(ポスター)

タイトル

P362 潰瘍性大腸炎術後回腸嚢炎と鉄欠乏性貧血との関連に関する検討-鉄欠乏性貧血は回腸嚢炎診断の一助となりうるか?-

演者 長尾宗紀(東北大学胃腸外科)
共同演者 福島浩平(東北大学胃腸外科), 柴田近(東北大学胃腸外科), 三浦康(東北大学胃腸外科), 小林照忠(東北大学胃腸外科), 小川仁(東北大学胃腸外科), 鹿郷昌之(東北大学胃腸外科), 上野達也(東北大学胃腸外科), 木内誠(東北大学胃腸外科), 安藤敏典(東北大学胃腸外科), 小山淳(東北大学胃腸外科), 神山篤史(東北大学胃腸外科), 林啓一(東北大学胃腸外科), 佐藤学(東北大学胃腸外科), 舟山裕士(東北労災病院外科), 高橋賢一(東北労災病院外科), 佐々木巌(東北大学胃腸外科)
抄録 【背景と目的】潰瘍性大腸炎にて手術適応となり大腸全摘を施行した後の症例でも(鉄欠乏性)貧血を発症していることが多い.また回腸嚢肛門(菅)吻合後の晩期合併症の1つとして回腸嚢炎が挙げられるが適切な血清学的マーカーの欠如が指摘されている.そこで回腸嚢炎の有無と術後の貧血との関連性について検討した.【対象】2004年~2005年度内に当科で潰瘍性大腸炎の分割手術の最終過程すなわち回腸痩閉鎖術を終了しかつ外来で経過観察中の症例38例を回腸嚢炎発症群と非発症群に分けて検討した.内視鏡所見にて回腸嚢炎が明らかな症例もしくは回腸嚢炎を疑わせる臨床症状を認めその治療のために抗生物質投与を必要とした症例を回腸嚢炎発症群とした【結果】対象症例38例(男:女=19:19)のうち回腸嚢炎発症群はll例回腸嚢炎非発症群は27例であった.回腸痩閉鎖時年齢は発症群が23.9(15-69)歳非発症群が41.9(20-69)歳.発症群のうち貧血が認められた症例は11例中5例(455%)非発症群のうち貧血が認められた症例は27例中7例(25.9%)であり発症群に貧血が多く認められる傾向にあった.発症群の血清鉄の平均値は29.0(7-97)μg/dl非発症群では53.0(9-133)μg/d1と発症群の方が血清鉄の値が低い傾向にあった.赤血球数血清ヘモグロビン値はそれぞれ発症群が439(249-530)x 104/μ111.9(5.3-136)g/dl非発症群が446(343-530)×104/μL12.6(&8-16.1)g/dlと発症群の方がより高度の小球性低色素性貧血の傾向を認めた.【結論1潰瘍性大腸炎術後に鉄欠乏性貧血をみた場合回腸嚢炎を合併している可能性を考慮すべきである
索引用語