セッション情報 一般演題(ポスター)

タイトル

P363 クローン病治療における成分栄養療法のコンプライアンスと栄養状態緩解維持についての検討

演者 大塚博之(山梨大学内科学第一講座)
共同演者 末木良太(山梨大学内科学第一講座), 植竹智義(山梨大学内科学第一講座), 山口達也(山梨大学内科学第一講座), 高野伸一(山梨大学内科学第一講座), 松井啓(山梨大学内科学第一講座), 三浦美香(山梨大学内科学第一講座), 門倉信(山梨大学内科学第一講座), 大高雅彦(山梨大学内科学第一講座), 佐藤公(山梨大学内科学第一講座), 榎本信幸(山梨大学内科学第一講座)
抄録 【目的】クローン病治療の緩解維持において成分栄養療法(Elemental Diet:ED療法)として1200kcal以上を投与することが必要とされている.一方経鼻チューブに対する抵抗感投与時間成分栄養剤の味覚狭窄例における腹部膨満感などによりED療法を継続することは必ずしも容易ではない.今回ED療法におけるコンプライアンスと栄養状態炎症反応併用薬剤からみた緩解維持の効果について検討した.【方法】ED療法を緩解導入に開始しコンプライアンスの指標としてED投与量を処方量:から推定した. ED摂取900kcal以上600-900kcal未満600kcal未満に分けて栄養状態(血清アルブミンコレステロール)炎症反応(CRP値)併用薬剤(5ASAステロイド免疫調整剤インフリキシマブ)手術回数について検討した.ED摂取900kcal以上使用時には脂肪乳剤を1-2週遅に点滴投与した【対象】6か月以上ED療法を継続している15症例(男性11例女性4例)t平均年齢33.3才(14-48才)平均発症年齢22.8才(13-44才)罹病期間は約10年観察期間は8.9年(0.6-2..9年)病変範囲は小腸型2例(13.3%)小腸・大腸型12例(80%)大腸型1例(6.7%)であった.【結果】ED摂取900kcal以上(n=6)は600-900kcai(n=4)と比較して血清アルブミンは高く(3.6±0.53.0±0.4 P<0.05)炎症反応は低値(1.5±0.835±1.9 P<0.05)であった.ED摂取900kcal以上において再燃によるインフリキシマブの導入例はなかった.手術回数は900kcal以上0.8回600-900kca1未満1.0回600kcal未満0.2回であった.一方ED摂取600kcal未満においては摂取量と栄養状態や炎症反応に相関がなく食事摂取により再燃し難いと考えられた.【結論】緩解導入以降ED摂取900kcal以上を継続することが栄養状態の改善と緩解維持に有効でコンプライアンスを維持することが必要と考えられる.
索引用語