セッション情報 一般演題(ポスター)

タイトル

P367 ARDSを合併した重症潰瘍性大腸炎の1例

演者 相良志穂(秋田大学医学部消化器内科)
共同演者 姉崎有美子(秋田大学医学部消化器内科), 飯塚政弘(秋田大学医学部消化器内科), 堀江泰夫(秋田大学医学部消化器内科), 大西洋英(秋田大学医学部消化器内科)
抄録 【はじめに】炎症性腸疾患には多くの腸管外合併症が報告されている.今回急性呼吸促迫症候群(ARDS)を合併した重症潰瘍性大腸炎(UC)症例を経験したので報告する.【症例】67歳男性【主訴】血便【既往歴】66歳直腸癌で低位前方切除術【現病歴】2007年2月より時々血便を自覚近医で大腸内視鏡施行されUC(全大腸炎型)と診断され3月8日入院.プレドニゾロン40mgの投与を開始したが症状の改善なくアザチオプリン50mgを併用.一時的に症状の改善が認められたが症状は再び増悪したため白血球除去療法(LCAP)を施行したが効果はみられなかった.貧血低蛋白血症の進行とともに内視鏡所見も増悪しUCの重症化が認められたためプレドニゾロン強力静注療法を開始.しかし徐々に全身浮腫呼吸苦が出現胸部X線などの検査でARDSの合併も認められため6月27日精査加療目的で当科へ救急搬送された.入院時血圧60/38mmHg脈拍150回/分体温38.1℃動脈血ガス分析(酸素マスク10L)Po239mmHgPco2 35.7mmHgSpo27&7%と全身状態悪く直ちに人工呼吸管理とした.血液および喀嬢の培養検査はいずれも陰性であった.7月4日縦隔気腫皮下気腫右肺気胸出現し胸腔ドレ・・一・・ンを挿入7月6日には気管切開術を施行UC症状の改善なくまたARDSはUCの腸管炎症に起因している可能性が極めて高いと判断されたため7月11日結腸亜全摘回腸人工肛門造設術を施行.術後ARDSによる呼吸器症状は速やかに改善を示し術後3日で人工呼吸器からの離脱が可能となった.全身状態も良好となり筋力低下に対するリハビリを開始.10月5日リハビリ継続のため転院となった.【結語】ARDSという極めて稀な腸管外合併症を合併し腸切除により呼吸器症状の速やかな改善が得られた重症UC症例を報告する.
索引用語