セッション情報 |
一般演題(ポスター)
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タイトル |
P370 ネフローゼ症候群と潰瘍性大腸炎の経過中に原発性胆汁性肝硬変を発症した1例
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演者 |
山本章二朗(宮崎県立延岡病院内科) |
共同演者 |
岩切久芳(宮崎県立延岡病院内科), 末田光恵(宮崎県立延岡病院内科) |
抄録 |
症例は59歳男性.1988年にネフローゼ症候群を発症し他医で腎生検を行い微小変化型と診断され入院下でステロイドおよびエンドキサンにて加療された.1994年10月に血便下痢を認め大腸内視鏡検査を施行され全大腸炎型の潰瘍性大腸炎(以下UC)と診断されSASPを開始されその後は症状は落ち着いていた.その後は本人の希望によりPSL10mg/日の隔日投与メサラジン内服で加療しておりネフローゼ症候群潰瘍性大腸炎はいずれも経過、良好であった.以前より’vGTP:83-1131U/と上昇を認めていたが少量の飲酒もありその影響を考えていた.2006年10月の検査で’VGTP:202とさらなる上昇を認めたためこの精査を行った.肝炎ウィルスマーカーは陰性で腫蕩マーカーも正常値であり腹部エコー検査では肝臓は慢性肝炎様の所見であったが腫瘤や胆管拡張などはみられなかった.血液検査で抗ミトコンドリアM2抗体:24.3であったため皮膚のかゆみなどはなかったが原発性胆汁性肝硬変(以下PBC)を考えエコーガイド下紐生検を行った.その結果小葉間胆管上皮の腫大や胆管径の拡大胆管基底膜の不明瞭化などがみられ慢性非化膿性破壊性胆管炎の所見と考え検査値なども含めてPBCと診断した.ウルソデオキシコール酸の内服を開始しその後・yGTPの改善を認めた. UCにおける肝合併症としては原発性硬化性胆管炎が多くその頻度はUC患者の5%程度といわれているがPBCとの合併は非常に稀である.かつ本例ではUCPBCに加えてネフローゼ症候群も伴っており3疾患はいずれも自己免疫の異常の可能性がいわれておりこのような3疾患を発症した稀な症例と考えられたため文献的考察を含めて報告する. |
索引用語 |
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