セッション情報 一般演題(ポスター)

タイトル

P378 ポリエクトミールを用いた虚血性腸炎の外来治療

演者 山田哲(豊橋市民病院消化器内科)
共同演者 岡村正造(豊橋市民病院消化器内科), 浦野文博(豊橋市民病院消化器内科), 藤田基和(豊橋市民病院消化器内科), 馬渕龍彦(豊橋市民病院消化器内科), 山田雅弘(豊橋市民病院消化器内科), 北畠秀介(豊橋市民病院消化器内科), 石黒裕規(豊橋市民病院消化器内科), 佐々木淳治(豊橋市民病院消化器内科), 山本冨美子(豊橋市民病院消化器内科)
抄録 【背景・目的】虚血性腸炎は下血腹痛をきたす代表的な下部消化器疾患である.重症例では壊疽型や狭窄型へと増悪する場合があり桐胴診断が治療法の選択に重要である.壊疽型や狭窄型への進展例では急性期の大腸内視鏡所見で病変粘膜が暗赤色を呈し浮腫も高度で特に壊疽:型では灰緑色を呈する.深い潰瘍を合併し腸管全周に及ぶ場合が多く緊急手術が必要である.一方一過性型の急性期内視鏡所見は粘膜の発赤やびらんが主体で浮腫も軽度である.虚血性腸炎の大部分を占める一過性型の場合は食事制限と対症療法のみで軽快する当院では一過性型虚血性腸炎の症例に低刺激・低残渣食であるポリエクトミールを用いた食事指導により外来治療を施行しているので報告する.【方法】問診および臨床所見から虚血性腸炎が疑われた症例に対してグリセリン洗腸の前処置のあと大腸内視鏡検査施行し虚血性腸炎の診断と重症度評価を行った.96年3月から2007年10月までに虚血性腸炎と診断されたのは489例(一過性型:469例平均年齢61歳狭窄型・壊疽型20例(平均年齢72歳)であった.一過性型469のうちの39例(平均年齢58歳男5例女31例)に対してポリエクトミール(1039kcal/日)を3日間摂取させる外来治療とし臨床経過をみた【結果】39例の大腸内視鏡所見はS状から下行結腸を中心とした左側結腸に発赤や浮腫腸管の長軸方向に沿った線状のびらん潰瘍を認め虚血性腸炎の典型像を呈するものがほとんどであった.浮腫は軽度で線状潰瘍は浅かった.高血圧や虚血性心疾患糖尿病などの基礎疾患を有する患者は15例(38%)便秘患者は12例(31%)であった.症状が悪化して入院を要した症例はなく39例全例が外来診療で治癒した【結論】一過性型の虚血性腸炎に対するポリエクトミールを用いた外来治療は安全であり医療経済的にも有益と考えられる
索引用語