セッション情報 一般演題(ポスター)

タイトル

P379 当院で経験した腸結核7例の診断過程と臨床像に関する検討

演者 大和隆明(川崎医大川崎病院肝臓消化器病センター内科)
共同演者 藤村宜憲(川崎医大川崎病院肝臓消化器病センター内科), 末廣満彦(川崎医大川崎病院肝臓消化器病センター内科), 稲田暢(川崎医大川崎病院肝臓消化器病センター内科), 坂之上律子(川崎医大川崎病院肝臓消化器病センター内科), 西野謙(川崎医大川崎病院肝臓消化器病センター内科), 川中美和(川崎医大川崎病院肝臓消化器病センター内科), 利國信行(川崎医大川崎病院肝臓消化器病センター内科), 佐藤友美(川崎医大川崎病院健康管理センター), 物部泰昌(川崎医大川崎病院病理), 光野正人(川崎医大川崎病院外科), 山田剛太郎(川崎医大川崎病院肝臓消化器病センター内科)
抄録 【背景と目的】欧米ではHIV感染者で腸結核を含む肺外結核患者の増加が報告され日本でも近年増加傾向を示し臨床上注意すべき疾患である.我々は過去15年間に経験した腸結核7例の診断過程および臨床像について検討した【対象と方法11992年9月から2007年9月までの15年間に当院で診断治療された腸結核7例につきその臨床症状と大腸内視鏡所見注腸生検培養PCRQuantiFERON TB-2G検査腹部CT胸部病変の有無を含めた臨床所見について検討した.【結果】平均年齢は64.3(55-81)歳.男女比は男性2例女性5例.自覚症状は腹痛3例血便1例体重減少1例無症状(便潜血検査陽性)2例で腹痛が最も多かった.肺病変については6例で胸部XPあるいはCTで浸潤影・結節影などを認めたが残りの1例では全く肺病変を認めなかった.罹患部位は大腸結核5例小腸結核2例(空腸1例回腸1例)であった.大腸内視鏡・注腸検査では大腸結核5例と回腸結核1例で輪状潰瘍輪状狭窄多発性潰瘍タコイボびらんを認めた.空腸結核の1例は消化管穿孔例で緊急手術の摘出標本で輪状潰瘍と同部位に穿孔部が確認され摘出標本の輪状潰瘍部に肉芽腫とacid-fast染色で抗酸菌を認めた.また無症状例の1例では肺病変を認めず横行結腸に輪状狭窄輪状潰瘍肉芽腫を認めたものの大腸組織のPCR検査で陰性であったがQuanti FERON TB-2G検査で陽性であったため培養結果が判明する前に腸結核と診断し早く抗結核剤の投与を開始することができた.【結論】腸結核は無症状のこともあり大腸内視鏡検査時には腸結核の存在も十分念頭に入れておくべき疾患と考えるまた従来の診断法以外に新しい検査であるQuanti FERONTB-2G検査を併用することにより早く診断できる可能性が示唆された.
索引用語