セッション情報 一般演題(ポスター)

タイトル

P382 当院における大腸憩室出血の現状

演者 鈴木大介(安城更生病院内科)
共同演者 杉本啓之(安城更生病院内科), 鶴留一誠(安城更生病院内科), 児玉祐加子(安城更生病院内科), 岡田昭久(安城更生病院内科), 竹内真実子(安城更生病院内科), 細井努(安城更生病院内科), 山田雅彦(安城更生病院内科)
抄録 【目的】従来本邦では欧米に比し大腸憩室の発生頻度は低率とされてきた.しかし近年わが国における食生活の欧米化や本格的な高齢化社会の到来に伴い大腸憩室および憩室からの出血が増加傾向にあることが報告されている.今回当院における大腸憩室出血の現状について検討した【対象】2002年7月から2007年6月までの5年間に下部消化管出血にて大腸内視鏡検査(CF)を実施した671例のうち大腸憩室出血と診断された35例(5.2%)を対象として年齢性別出血部位憩室の数出血形態治療および誘因特に抗血栓薬の内服の有無について検討した.【結果】男性24例女性11例と男性が多かった.平均年齢66歳(45~83歳)であり65歳以上の高齢者は21例(60%)であった.出血部位は上行結腸が最も多く21例(60%)でありt次いでS状結腸9例(25.7%)であった.憩室の個数は34例(97.1%)が多発で単発は1例のみであった.出血形態は凝血塊付着が27例(77.1%)を占め湧出性出血は6例(17.1%)噴出性は2例(5.8%)であった.23例(657%)で入院を要し輸血を必要としたのは6例(171%)であった.内視鏡的止血術(クリッピング)を8例(22.9%)に施行した抗血栓薬を内服していたのは19例(54.3%)と高率でその内訳はアスピリン12例(34.3%)その他の抗血小板薬4例(11.4%)非アスピリンNSAm(5例は抗血小板薬を併用)8例(229%)であった.抗血栓薬の内服の有無で出血形態を比較すると非内服例16例では凝血塊付着14例湧出性出血2例で噴出性出血は認めなかったのに対し内服例19例では凝血塊付着13例湧出性出血4例噴出性2例(2例とも高齢者)であった.下部消化管出血による死亡例は認めなかった【結論】大腸憩室出血例の60%が高齢者で出血部位は上行結腸が最も多かった出血例の約半数に抗血栓薬内服を認め特に多数の大腸憩室を有する高齢者に対する抗血栓薬投与は噴出性出血の誘因となり得る可能性が示唆された.
索引用語