セッション情報 一般演題(ポスター)

タイトル

P384 大腸憩室出血に対する内科的治療

演者 佐藤真司(東邦大学大森病院消化器内科)
共同演者 藤塚宜功(東邦大学大森病院消化器内科), 倉形秀則(東邦大学大森病院消化器内科), 五十嵐良典(東邦大学大森病院消化器内科), 住野泰清(東邦大学大森病院消化器内科), 三木一正(東邦大学大森病院消化器内科)
抄録 【目的】大腸憩室出血は下部消化管出血の主な原因として挙げられ日常診療でしばしば遭遇する疾患である.観察時点で自然止血が得られている事も多いが再出血多く臨床的に問題となる.そのため繰り返す大腸憩室出血に対して高濃度バリウムを注腸充填することで良好な止血効果が得られたとする報告が散見される.今回我々は当院における現況を検討し有効な止血法について検討した.【方法】2004年1月から2006年12月までに当院にて診断・治療した大腸憩室出血の患者31人を対象とした.【成績】患者は男性18人女性13人平均年齢66.4歳であった.内視鏡的に出血点の同定が可能であったのは14例で全例にクリップにて止血処置をした.その内訳ではクリップ止血のみが13例クリップ止血直後さらにバリウム充填を行ったのが1例であった.出血点の特定が困難であった17例のうち経過観察のみが10例バリウム充填施行が7例であった.これら4群に対して1年以内の再出血はそれぞれ5例(38.4%)0例(0%)4例(40%)0例(0%)であったバリウム充填を施行した症例では以後1年以内の再出血は認めなかった.またクリップ単独止血群で1年以内に再出血を来たした5症例では緊急手術になった1例を除き全例(4例)にクリップ単独もしくはクリップ+バリウム充填を行いいずれも長期の止血が得られている.【結論】下部消化管出血の症例において大腸憩室出血が強く疑われ出血源の同定が困難な例にはバリウム注腸による充填術を優先して考慮して良いと考えられた.当日若干の文献的考察を加えて発表する.
索引用語