セッション情報 一般演題(ポスター)

タイトル

P388 大腸ESDにおけるクリニカルパス導入下の治療成績

演者 吉田直久(市立奈良病院消化器科)
共同演者 金政和之(市立奈良病院消化器科), 和田貴子(市立奈良病院消化器科), 酒井恭子(市立奈良病院消化器科), 角田圭雄(市立奈良病院消化器科), 長谷川大祐(綾部市立病院消化器内科), 森本泰隆(京都府立医科大学消化器内科), 柏敦文(京都府立医科大学消化器内科), 若林直樹(京都府立医科大学消化器内科)
抄録 (目的)大腸ESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)は20mm以上の病変を確実に一括切除しうる治療法である.しかし現時点では限られた施設でのみ行われており術後の安静度食事開始時期および入院期間などについていまだ標準的なものはない.本研究では大腸ESDに対してクリニカルパスを導入しその成績について考察する(方法)当院にて平成18年10月より平成19年10月までにクリ心弛ルパスを使用して施行した大腸ESD 48例を対象とした.当院のクリニカルパスは医療者用および患者用の2部構成となっている.その概要は患者はESD前日に入院となり主治医による手術説明および看護師による患者用パスに沿った治療前・治療後の説明を行っている.持続点滴は手術直前より開始となり術後3日目の午後までとしている.術後の検査および食事は術後1日目に血液検査および腹部CT検査を施行し術後2日目に血液検査および腹部所見を確認後昼より経口摂取が再開となる.食事および安静度の制限が日ごとに解除され術後5日目に退院となる.検討項目として術後在院日数および偶発症について解析を行い大腸ESDの標準化について考察した.(結果)術後平均在院日数は55日であった.パス通り術後5日で退院となる症例は83.3%43/48であった.偶発症は出血1例2.0%および穿孔4例8.3%であった.出血例は術後4日目に確認され穿孔例は全例が術後1日目に確認された.なお出血例および穿孔例は全例保存的に軽快した.偶発症例の術後在院日数は出血例で10日穿孔例4例では5日7日7日8日であった.また穿孔例においては術後2日目のCRP値が非穿孔例に比して有意に上昇していた.(結語)クリニカルパスの導入により大腸ESDの術前術後管理を含む入院治療を均質かつ安全に施行しえた.現在DPC導入に向け術後諸検査の有用性や入院期間の短縮の検討を行っている.
索引用語