セッション情報 一般演題(ポスター)

タイトル

P396 大腸癌病期診断におけるFDG-PETの付加価値についての検討

演者 加藤貴司(北海道消化器科病院内科)
共同演者 佐々木清貴(北海道消化器科病院内科), 釋亮也(北海道消化器科病院内科), 町田卓郎(北海道消化器科病院内科), 碇修二(北海道消化器科病院内科), 黒瀬龍彦(北海道消化器科病院内科), 中村英明(北海道消化器科病院内科), 加賀谷英俊(北海道消化器科病院内科), 目黒高志(北海道消化器科病院内科), 堀田彰一(北海道消化器科病院内科), 森田高行(北海道消化器科病院外科), 高橋利幸(北海道消化器科病院病理)
抄録 【目的】マルチスライスCT(MSCT)では短時間に広範囲の高分解能な画像が取得できるため詳細なVirtual colonoscopy(VC)が可能となった.そのため大腸癌診断においてはMSCTで深達度診断リンパ節診断および遠隔転移診断のすべてが評価可能となった一方でFDG-PETも大腸癌診断に有用であることが知られている今回MSCTによる病期診断にFDG-PETを加えることで診断精度の向上が得られるかどうか検討した【対象および方法】初発大腸癌33例(男/女13/20年齢分布冨46~89才)を対象にMSCTによる病期診断を施行したうえでFDG-PETを施行した.MSCTは東芝製Aquilion M(64DAS)を用い前処置として腸管洗浄を施行し鎮痙剤投与後に腸管内に空気を注入後非イオン性造影剤IOOmlを秒間2m1で注入し息止め一回でスキャンを行なった。FDG-PETは東芝製PCA-2000Aを用い検査前には最低6時間の絶食時間を設けFDG185MBq投与後1時間より主に頭部から大腿部までを3D収集モードにて撮像した. MSCTおよびFDG-PET所見は主に手術後の病理結果と対比した【結果】対象症例は結腸癌23例直腸癌10例であった30例はリンパ節郭清を伴う原発巣切除が施行された.MSCTの深達度診断およびリンパ節転移診断の正診率はそれぞれ657%48.6%であった.FDG-PETでは全例で原発巣への異常集積を指摘された.しかしリンパ節転移診断の正診率は51.6%であった.MSCTにてリンパ節転移陽性と診断された症例に限定してもMSCTとFDG-PETのリンパ節診断の正診率はそれぞれ52.9%でありFDG-PETによる診断精度の向上は認めなかった.【結語】大腸癌の病期診断においてMSCTにFDG-PETを追加してもリンパ節転移診断については診断精度の向上は限られていた今後遠隔転移診断についてさらに症例数を増やして検討をする予定である.
索引用語