セッション情報 |
一般演題(ポスター)
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タイトル |
P399 発症から経過が追えたCronkhite-Canada症候群の1例
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演者 |
飯田真大(綜合病院山口赤十字病院内科) |
共同演者 |
河野吉浩(綜合病院山口赤十字病院内科), 末兼浩史(綜合病院山口赤十字病院内科), 為近義夫(綜合病院山口赤十字病院内科), 権藤俊一(山口大学医学部附属病院病理学) |
抄録 |
症例は62歳男性.2007年7月から味覚障害が出現し同時期に手指・足趾の爪甲萎縮及び頭髪のびまん性脱毛を認めるようになった.8月食欲の低下と繰り返す下痢のため近医で上部消化管内視鏡を受けた際胃嫉襲の腫大を指摘される.投薬加療を受けるも改善なく体重は1ヶ月で5kg減少した.10月手掌・口唇の色索沈着を指摘され当院皮膚科を受診.内科的疾患の精査と加療目的に当科紹介入院となった.入院時血清総蛋白5.6g/dlアルブミン2.7g/dlと低蛋白血症を認めα1-antitrypsin clearanceは増加していたまた99mTc標識ヒト血清アルブミンによる蛋白漏出シンチにて盲腸及びS状結腸に漏出所見を認め蛋白漏出性胃腸症が示唆された上部消化管内視鏡では胃全体に密集多発する発赤調ポリープと台頭の著明な肥厚を認め全大腸内視鏡でも同様に密集するポリープを直腸を除いたS状結腸から盲腸にかけてびまん性に認めた.経口小腸造影では十二指腸から終末回腸までに病変を認めなかった.胃及び大腸の病理組織からは腺管の嚢胞状拡張と問質の浮腫著明な炎症細胞浸潤がみられ胃ではヒメネス染色でHpyloriの存在を確認した.以上の臨床症状と家族歴のない消化管ポリポーシスからCronkhite-Canada症候群と診断し中心静脈栄養下に抗プラスミン剤の投与とH.pylori除菌治療を開始した.本疾患の病因はいまだ不明であるが発症に感染免疫低下ストレスなどの関与が考えられている.患者は発症の半年程前から娘の離婚や金銭の問題などを抱えておりストレスが発症に関与していた可能性が考えられた.今回我々は稀な疾患であるCronkhite-Canada症候群の1例を経験したので治療経過と若干の文献的考察を加えて報告する |
索引用語 |
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