セッション情報 一般演題(ポスター)

タイトル

P400 アメーバ虫体の遺伝子解析で遺伝子型の一致を認めた赤痢アメーバ腸炎の2例

演者 川瀬直登(総合大雄会病院消化器科)
共同演者 喜多島康弘(総合大雄会病院消化器科), 吉田利明(総合大雄会病院消化器科)
抄録 【症例1】39歳男性.主訴は発熱下痢.既往歴は高血圧.6年前中国への渡航歴がある.同性愛者ではない.発熱下痢を来たすようになり近医を受診し胃腸炎として内服薬処方されるも軽快せず精査を希望され当院を受診.腹部超音波検査にて肝膿瘍を認め入院.経皮経肝膿瘍ドレナージを施行した.大腸内視鏡検査を施行すると盲腸部に白苔を伴った不整形びらん潰瘍性病変を認め生検にてアメーバ虫体を認めた.ドレーン排液および糞便中からPCR法でE.histolyticaが証明でき肝膿瘍合併赤痢アメーバ腸炎と診断できた.メトロニダゾール投与にて軽快を認め退院した.【症例2】36歳男性.主訴は下痢.既往歴は20歳時に髄膜炎.約1年前中国への渡航歴がある.同性愛者ではない.約2週間前より下痢を発症し血便を伴うようになり軽快しないため受診大腸内視鏡検査にて大腸全域に白苔を伴った不整形びらんの多発を認め生検にてアメーバ虫体を認めた.糞便中からPCR法でEhistolyticaが証明でき赤痢アメーバ腸炎と診断できた.メトロニダゾール投与にて軽快を認めた.我々はこの2例に対しアメーバ虫体の遺伝子解析を行ったところL(》cus 1-2Locus 5-6ChitinaseSREHP (serin-rich Ehistilytica protein)の解析にてすべて一致する遺伝子型を認めSREHPの遺伝子型は過去の文献に報告のない型であった、症例両者の互いの面識は無く社会的背景には中国への渡航歴と愛知県在住であること以外に共通点は認められず今回認められた遺伝子型は中国由来の赤痢アメーバを特徴づける可能性が示唆されたので若干の文献的考察を加え報告する.
索引用語