セッション情報 | 一般演題(ポスター) |
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タイトル | P402 非典型的な内視鏡像を呈したクラミジア直腸炎の一例 |
演者 | 平澤俊明(癌研有明病院消化器内科) |
共同演者 | 松尾恵五(東葛辻仲病院外科), 傅光義(東葛辻仲病院内科), 赤木一成(東葛辻仲病院外科), 堤修(東葛辻仲病院外科), 浜畑幸弘(東葛辻仲病院外科), 辻仲康伸(東葛辻仲病院外科) |
抄録 | 【はじめに】クラミジア直腸炎は比較的稀な疾患とされているが昨今のSTDの増加に伴い報告が散見されてきた.内視鏡像の特徴は直腸下部に多発するイクラ状の隆起病変であり病理組織学的にはリンパ濾胞の増生と炎症細胞浸潤である.今回われわれは非典型的な内視鏡像を呈し診断に苦慮したクラミジア直腸炎の一例を経験したので報告する.【症例】31歳男性.2ヶ月前から1日4-5回の軟便が出現し当院を受診した.下部消化管内視鏡では直腸に発赤斑びらんを認め肛門に近づくほど密在していた.生検では上皮内の好中球浸潤を認めcrypt abcessを伴い間質は巣状のリンパ球浸潤を伴う軽度の炎症細胞浸潤を認めた.PAS染色ではアメーバは認めず血清アメーバ抗体便培養は陰性であった.当初非典型的な潰瘍性大腸炎クローン病を疑ったが直腸擦過診でChlamydia trachomatis抗原(EIA法)が陽性となりクラミジア直腸炎と診断した.ミノマイシン200mgを10日間投与しすぐに症状は消失した.3ヵ月後の下部消化管内視鏡では発赤びらんは消失し直腸擦過診ではChlamydia trachomatis抗原は陰性となった.【考察】本症例では肛門性交や尿道炎の既往はなく周囲のリンパ節腫大も認めずはっきりした感染経路は不明であった日常臨床において確定診断がつかない非特異的な直腸炎に遭遇することが多いが診断されてない非典型的なクラミジア直腸炎が多く存在する可能性が示唆された.また診断においては直腸擦過診によるChlamydia trachomatis抗原の検出が有用であると考えられた. |
索引用語 |