セッション情報 一般演題(ポスター)

タイトル

P403 宿便が原因と考えられた大腸炎の1例

演者 金玄志(国家公務員共済組合連合会浜の町病院消化器内科)
共同演者 西条寛平(国家公務員共済組合連合会浜の町病院消化器内科), 瀬尾充(国家公務員共済組合連合会浜の町病院消化器内科), 松浦隆志(国家公務員共済組合連合会浜の町病院内視鏡室), 相島慎一(国家公務員共済組合連合会浜の町病院病理), 松本主之(九州大学大学院病態機能内科学), 飯田三雄(九州大学大学院病態機能内科学), 山口雄一(山口内科)
抄録 症例は86歳女性主訴は腹痛発熱.既往歴は高血圧虚血性心臓病心房細動.現病歴:元来便秘ぎみであった.平成18年7月下旬に腹痛出現し右側腹部にしこりを自覚したため近医受診腹部エコー腹部CT施行にて便塊の石灰化を指摘されたがその他には明らかな異常は指摘されなかった.8月8日より便秘腹痛出現し8月11日より発熱も伴うようになったため近医受診し同日原因精査目的にて紹介入院となった.腹部CTではSDjunctionよりやや口側の下行結腸に長径約8cmにわたる糞石を認めた.その口側の腸管壁肥厚と周囲脂肪織の混濁が見られ糞石が原因の閉塞性大腸炎と考えられた.絶食にて輸液を行い緩下剤と野趣にて排便をほどこし第5平日にsigmoido-scopyを施行した.便塊多量で観察不良であったがS状結腸に白苔に’覆われた浅い不整形潰瘍を認めさらに下行結腸には全周性の潰瘍を認めた.S状結腸と下行結腸の潰瘍の間には正常粘膜が介在していた.第7晦日の内視鏡検査では潰瘍底には肉芽形成を認め病理組織検査は閉塞性大腸炎に合致した所見であった.経過良好で退院となっていたが2ヶ月半の経過で全周性の狭窄を来たしていた.平成18年11月20日に内視鏡的バルーン拡張術を2回施行し狭窄は改善傾向であった.今回大腸炎の原因は便塊の閉塞機転により腸管内圧が上昇し粘膜の血流障害などを起こしいわゆる閉塞性大腸炎が考えられた.閉塞性大腸炎の原因としては大腸癌がもっとも多く便塊によるものも報告があるが本邦での報告例は少なく文献的考察を加え報告する.
索引用語