セッション情報 | 一般演題(ポスター) |
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タイトル | P404 上部消化管閉塞を伴った胃癌患者に発症した偽膜性腸炎に対してバンコマイシンの注腸が有効であった1例 |
演者 | 伊東友弘(昭和大学横浜市北部病院内科) |
共同演者 | 土屋静馬(昭和大学横浜市北部病院内科), 宮下耕一郎(昭和大学横浜市北部病院内科), 齋藤佑介(昭和大学横浜市北部病院内科), 小林功治(昭和大学横浜市北部病院内科), 大野恭史(昭和大学横浜市北部病院内科), 滝西安隆(昭和大学横浜市北部病院内科), 三代川章雄(昭和大学横浜市北部病院内科), 嶋田顕(昭和大学横浜市北部病院内科), 坂下暁子(昭和大学横浜市北部病院内科), 松橋信行(NTT東日本関東病院), 田口進(昭和大学横浜市北部病院内科) |
抄録 | 症例は48歳女性平成18年5月差当院消化器センターにて精査したところ癌性腹膜炎をともなった進行胃癌と診断.多量の腹水もあることから同月18日化学療法目的に当科紹介.同月26日からTS-1開始.計3.5コース施行し腹水は著明に減少したものの残存しているため11月6日間らTS-1+高容量CDDPを計2コース施行.しかし腹水が消失しないため平成19年1月9日目りTS一一1+TXTを計2コース施行.同年2月21日下痢と腹痛腹水のため当科再診今回の入院となる.下痢は化学療法による副作用と判断し乳酸菌製剤や止痢剤抗生剤サンドスタチンの投与にて改善傾向となった.3月4日に頻回な嘔吐出現し十二指腸水平脚の悪性狭窄による上部消化管閉塞と診断.胃管を挿入し症状は改善したものの以降1日1L程度の排液が継続した.3月7日よりWeekly PTXを開始4月12日ごろより1日15回前後の下痢となり便よりCDトキシン陽性と判明し偽膜性腸炎と診断.化学療法は中止した.胃管を3時間クランプしかストログラフィンによる追腸検査を行ったところ狭窄部位から極わずかに造影剤が肛門側へ流出するのみあった.経胃管的投与により大腸まで薬剤を到達させることには限界があると判断したため胃管からVCMlgの1日1回投与に加えVCMlg+微温湯500mlの1日1回の注腸を開始することとした.3日後には排便回数が減少し10日間投与を継続.投与終了2日後にはCDトキシン陰性を確認その後化学療法を再開するも偽膜性腸炎を再発することなく経過した.偽膜性腸炎に対するVCMの注腸の有効性を検討した報告は極少数であるが有効であると結論づけられている.本例のように消化管閉塞を合併しているためVCMの経口投与では効果が期待できない偽膜性腸炎に対してVCMの経肛門的投与は試みる価値がある治療法と考えられた. |
索引用語 |