セッション情報 一般演題(ポスター)

タイトル

P408 樹状細胞とインターフェロンαCpG併用療法による抗腫瘍効果の作用機序

演者 広石和正(昭和大学第二内科)
共同演者 平出綾子(昭和大学第二内科), 江口潤一(昭和大学第二内科), 坂木理(昭和大学第二内科), 土肥弘義(昭和大学第二内科), 井廻道夫(昭和大学第二内科)
抄録 【目的】消化器末期癌患者は免疫抑制状態にありさらに消化器癌は低免疫原性であることが多いため免疫療法の開発は困難であると考えられている.インターフェロンα(IFN一α)遺伝子導入癌細胞とCpGにより成熟させた樹状細胞はin vivoで強い抗腫瘍効果を示し臨床応用も検討すべきであると考えられた.今回我々はIFN一α遺伝子導入癌細胞CpGと樹状細胞の併用による抗腫瘍効果の作用機序を検討した.【方法】マウス大腸癌細胞野生株MC38-WTにIFN一α遣出子を導入しMC38-IFNαを樹立した.あらかじめMC38-WTを接種し野生株腫瘤を形成したマウスに対しMC38-IFNαとCpGを混合培養した樹状細胞(DC+a+C群)を投与し治療した.その際野生株腫瘤を採取し腫瘤内に浸潤している免疫細胞を免疫組織染色で解析した.モノクローナル抗体を用い生体から各種免疫細胞を除去して抗腫瘍効果の比較を行った.またDC+a+Cの培養液中にはIL-12が多くみられたため抗IL-12抗体をマウスに投与し抗腫瘍効果を比較検討した。さらにtDC+a+Cを投与したマウスの脾細胞を用いMC38-WTとYAC-1に対する細胞障害活性を測定した.【結果】DC一トa+C治療群は樹状細胞とMC38-IFNαで治療した群や樹状細胞とMC38-WTCpGで治療した群と比較し有意に野生株腫瘤の増大が抑制されたがDC+a+C治療群ではCD4+細胞CD8+細胞CDllc+細胞の浸潤が多く認められた.また各種免疫細胞を除去した結果DC+a+C治療にはNK細胞やCD4+細胞の関与が強く認められた.また抗M-12抗体の生体内投与により抗腫瘍効果は減弱した.DC+a+Cで治療したマウスでは特異的と非特異的な細胞障害活性の両者が増強していた.【結論】MC38-IFNCtとCpGを混合培養した樹状細胞の抗腫瘍効果にはNK細胞やCD4+細胞IL-12などが関与しておりこの治療は自然免疫と獲得免疫の両者を活性化し抗腫瘍効果を示すと考えられた.
索引用語