セッション情報 一般演題(ポスター)

タイトル

P412 低体重または肥満を背景とする肝細胞癌の臨床的特徴と予後~肝細胞癌の予後予測因子としてのBMIの意義

演者 長谷川将(鹿児島大学大学院消化器疾患・生活習慣病学)
共同演者 熊谷公太郎(鹿児島大学大学院消化器疾患・生活習慣病学), 玉井努(鹿児島大学大学院消化器疾患・生活習慣病学), 重信秀峰(鹿児島大学大学院消化器疾患・生活習慣病学), 森内昭博(鹿児島大学大学院消化器疾患・生活習慣病学), 宇都浩文(鹿児島大学大学院消化器疾患・生活習慣病学), 桶谷真(鹿児島大学大学院消化器疾患・生活習慣病学), 井戸章雄(鹿児島大学大学院消化器疾患・生活習慣病学), 坪内博仁(鹿児島大学大学院消化器疾患・生活習慣病学)
抄録 【目的】近年NASHからの発癌が注目されているがNASHと関連のある肥満を背景とするHCCの予後についての報告は少ない.今回低体重と肥満を背景とするHCC治療症例の臨床的特徴と予後を比較し対策を検討した.【方法】1989.7月から2006.12月までのHCC初回治療症例432例を対象としたBMIは1&5未満を低体重(以下低体重群)18.5以上25未満を正常体重(以下正常群)25以上を肥満(以下肥満群)に分類し低体重群と肥満群の2群を比較した.全症例低体重群肥満群で宿主側因子腫瘍側因子治療因子の背景因子を解析し予後関連因子の算出に単変量多変量解析を行った.【結果】全症例中研変量解析にて抽出された予後関連因子の多変量解析にてBMI値が高いハザード比で抽出された.BMI群別累積生存率の比較では低体重群が他の2群と比較し有意な生存率の低下を認めた.低体重一肥満群の比較では低体重群の平均年齢が有意に高齢であり腫瘍最大径が大きい特徴があった.累積生存率に関する単変量解析では両前に共通しT.bi1値脈管病変進行度JISスコア治療法の各5因子が低体重群のみGPT値の1因子が抽出されこれらの多変量解析では低体重群にTbil値の1因子が抽出された低体重群に特徴の予後不良因子であるGPT40凹石にて同様の単変量解析を行うと胸腹水TP値脈管病変が抽出された.【結論】HCCでは栄養状態が予後に関連しておりBMIは重要な予後予測因子である.同訓に共通し腫瘍側因子は予後関連性が高く加えて肥満群は家族歴肝予備能に予後関連性が高い一方低体重群は肝予備能の関連性は乏しいと思われたとりわけGPT高値の低体重者に胸腹水の貯留TP低値脈管病変の存在が加われば予後不良化が予測され日頃からトランスアミナーゼの安定化に留意しスクリーニング時には脈管病変の有無に注意を払うべきである.
索引用語